概要
「行事: 世界初?の対面会合Bluesky Meetup in Tokyo – first takeの開催予告 | GNU social JP」で紹介したおそらく世界初のBlueskyのミートアップ (対面会合) に参加したので報告します
項目 | 内容 |
---|---|
名前/URL | Bluesky Meetup in Tokyo – first take – |
主催 | 四谷ラボ (集客)、Bluesky |
場所 | 〒104-0061 東京都中央区銀座5丁目10−6 銀座ビル 7階 第一 銀座リベルタンゴ |
日時 | 2023-04-07 Fri 19:00-21:00 UTC+09:00 |
人数 | 92人+Blueskyチーム数名 |
SNS | GNU social/Twitter |
SNSのリンクにリアルタイムの状況報告があるので、これをベースに報告します。
以下の予定に沿って進行しました。
19:00 入場開始
19:10 開始前のご挨拶と案内
19:15 ~ Bluesky Teamによるプレゼンテーション
19:30 ~ Q&A と交流タイム
20:00 ~ 日本人制作のClient等紹介
20:20 ~ 交流タイム
20:50 ~ 撤収開始
21:00 完全撤収
以下の投稿にある通り、私には4年半ぶりの対面のSNS関係の会合でした。
ぐぬ管 (GNU social JP管理人)|gnusocialjp@gnusocial.jpreplying to ぐぬ管 (GNU social JP管理人)|gnusocialjp@gnusocial.jpSNSの対面会議は2018-11-03のmmt18以来4年半振り。個人サーバー時代の参加報告です。懐かしいです…この参加報告も若干物議を醸して批判の的になってましたね… #mmt18 Mastodon Meetup at Tokyo参加報告 | LTLこそがMastodonの本質なのか? #mmt18 Mastodon Meetup at Tokyo参加報告 | LTLこそがMastodonの本質なのか? | senooken JPMastodonの会議があったので参加した。 目次概要経緯感想TOMOKI++: ボカロ丼の立ち上げ経緯や運営、ボーカロイドコミュニティ内のボカロ丼の位置についてとねぢ: 箕面どんのこれまで、今、これからぐすくま: 鯖缶工場についてろ...
4年前のイベントが非常に懐かしく感慨深いです。あれから状況が変わりました。
今回の行事で私がすべきことは以下と思って参加しました。
ぐぬ管 (GNU social JP管理人)|gnusocialjp@gnusocial.jpreplying to ぐぬ管 (GNU social JP管理人)|gnusocialjp@gnusocial.jp1.質問・議論、2.以前結果的に助けてくれた人への挨拶、3.招待コード。 これが今回の会合の私のクエストです。交流時間は30分x2。参加者約96名。 どうなりますかね。参加者多いので質問の順番・時間が回ってこないことも十分ありえます。緊張します。
「行事: 世界初?の対面会合Bluesky Meetup in Tokyo – first takeの開催予告 | GNU social JP」で予告したモデレーションとクローリング機能についての質問、それと招待コード。最後に、「告知: Misskey.ioの画像参照時の警告表示の嫌がらせへの対応 | GNU social JP」で結果的に私のことを助けてくれた「七海灯 (@h3zjp) | みすきー ななみん鯖」が参加者にいたので、直接お礼とお礼の粗品の贈呈を考えていました。
紹介
まず会の初めにBlueskyチームの紹介がありました。
- CEO Jay Graber
- コミュニティーマネージャー: ローズ
- アプリ開発: ポール
- バックエンド開発・技術アドバイザー: Why
上3名はオンラインでの参加で、Whyだけ会場にいました。オンラインに通訳の日本人、現場にチャドという通訳担当がいました。オンライン参加者は現地時間で03:45 a.m.で深夜でした。
今回のミートアップは、たまたまWhyが日本に旅行に来ており、急遽決定したものでした。3/30 Thuに告知され1週間でのスピーディーな開催手配でした。
kojiraが元々発起人で、shino3が手伝いて来ていたものの主催ポジションでした。
内容
チーム紹介後乾杯があり、その後現在のプロジェクトについての説明がありました。
最初にアプリ開発のポールからアプリとプロトコルについての説明でした。
「報道: BlueskyのAPIの破壊的変更 | GNU social JP」で紹介したおり、アプリ開発のポールが2023-04-01に「Lexicon refactor (#658) · bluesky-social/atproto@7f008c0」Lexiconの大幅なリファクタリングがあり、APIの互換性が破壊されました。このことについて会の全体で何度か触れられていたのが印象的でした。今後は今回のような大きな変更はおそらくもうないとのことでした。
現在は連合プロトコルを締めくくろうとしており、タイムラインの表示アルゴリズムにも取り組んでおり、連合がうまくいったら開発者ツールと文書化を進める予定とのことです。
このアルゴリズムの部分が非常に重要なのか、特に強調していた印象です。「Twitter: API有料化、アルゴリズムOSS化、Blueの長文対応、凍結異議申立受付、2要素認証有料化、ブックマーク数表示、TwitterFiles17-21 | GNU social JP」で紹介した際に、TwitterのレコメンドエンジンのOSS化の話題がありまし。が、普通はタイムラインの表示アルゴリズムは会社が作るもので、これを開発者が作れるのが画期的なことだそうです。
このアルゴリズムは、単に表示するだけでなく、モデレーションで自分が見たくないものを表示させないこともできるそうで、AT protocolのモデレーション機能にも関与しそうな、私が当初思っていたよりもかなり重要な機能になりそうです。
現在はAT protocolのv1に取り組んでおり、おそらく後1-2か月で完成する予定とのことでした。なるべく早くテストに入って、夏にはバグ修正して、多くのユーザーに使ってもらってスケール化を試したいそうです。
女性のローズは技術者ではなく、コミュニティーマネージャー的な役割の人で、ユーザーの招待を手配しており、今回のようなミートアップの企画も担当しているようでした。
QA1
一通りのBlueskyチームの説明が終わったところで質疑応答の時間になりました。以下のような質疑がありました。
- Q. BlueskyのアプリだとTwitterと違いがない。どう違いを出すのか?
- A. 今は参照実装なので基本的なもの。AT protocol自体は今後写真や動画などあらゆる分野で対応できるものを想定している。
- Q. フィードのアルゴリズムの偏りには倫理規定などあるのか?
- A. カスタムアルゴリズムになるので、カスタムモデレーションのアルゴリズムも作り、これで自衛する。
- Q. PDSサーバーとして現在はbluesky.socialがあるがマシンリソースはどの程度?
- A. postgresとnodeのサーバーを使っている。PDS自体はかなり小さくても問題ないようになっている。ただ、アグリゲーターは大きくないといけない。
- Q. v1でビッグワールドサーバーの仕様は公開になるのか?
- A. ステージング環境で動作している。製品コードができたら仕様も公開予定。
- Q. ビジョンとしてマイクロペイメントには対応予定か?
- A. 長期的には対応予定だが、今はまだ何も決まっていない。暗号資産なのかどうかも全て現状未定。
アプリ
質疑がいったん終わったところで、日本での活動・制作物の紹介となりました。司会は青雲著者の鎌倉でした (Blueskyの公式Webアプリと非公式Androidアプリ青雲の公開 | GNU social JP)。
ここで、Blueskyの招待コードプレゼントの告知がありました。後日connpassのメッセージで招待コードを参加者に提供するそうです。
- ぽーまん。本人発表。おそらくBlueskyで世界初のWebアプリSkylightの紹介でした。3/3の自身の参加直後に4-5時間で製作したシンプルなものでした。ただ、4/1のAPI変更で現在は動作せず、日曜日に対応する予定とのことです。
- Louis。Skylight bluesky styleというSkylightのデザインをBluesky風にするものだそうです。
- shino3。本人発表。The blueというWebアプリ。唯一を目指したのが特徴。軽量、マルチプラットフォーム、PWAが特徴。
- 鎌倉。本人発表。青雲。Androidアプリ。今日自動翻訳機能を公開。
- ほりべあ。TOKIMEKI Bluesky。公式アプリ機能がほぼ全部搭載されたWebアプリ。
- mimonelu。Klearsky。Webアプリ。マルチアカウント、TwitterライクなWebアプリ。
- syui。aiというメンションするとカードがもらえて対戦できる現在Bluesky人気のボット。それとatrというRustのCLIクライアント。aiもこれで動作しているとのこと。
- うるし。bskt4j。Javaのライブラリー。ピュアなJava実装。その他、SocialHubというMastodon/Misskeyなど複数のSNSのAPI対応したJavaライブラリーでBlueskyにも対応したとのこと。
- mattn。bsky。CLIクライアント。マルチアカウント対応でbot作成に便利。JSON出力に対応しており、bskyでwhyの招待コードをnostに流していたとのこと。
- かとう。atproto。Dartのライブラリー。その他にいろいろ作っている。
- かすてらふぃ。Bluesky Follow Back All。フォロー返しをするWebサービス。
今回紹介したアプリ類は「bluesky-social/atproto-ecosystem: list of projects and implementations in the AT protocol ecosystem」にまとまっています。日本人の製品が多いのが特徴的です。
QA2
アプリ紹介が終わり2回目の質疑応答になりました。
- Q. 現在投稿がクローズドになっており、登録ユーザーしか閲覧できない。公開にならないのか?
- A. 実は公開になっている。アプリが対応したら間もなく公開で閲覧できる。
- Q. DM機能の実装はいつ?
- A. 夏以後になる。
上記の1個目の投稿の公開設定の質問は私でした。モデレーションとクローリング機能について質問しようかと思ったのですが、当日の説明でモデレーションがアルゴリズムで実現することがわかり、クローリング機能はニッチすぎると思って、場違いな感じがしたので、ライトな内容の質問に変えました。一人で複数質問してもよかったのですが、そういう感じでもなく、アウェイな環境なので控えました。
交流
チーム紹介の前やアプリ紹介の直前、QA2の後に食事・交流タイムがありました。QA2が終わった段階で20:45くらいで会場撤収が21:00なので15分と短めの残り時間でした。
「Bluesky Meetup in Tokyo – 参加者・申込者一覧 – connpass」の参加者で、私のサイトに以前登場したActivityPubのユーザーとして以下がいました。
- 細野英朋 (Advent Calendar 2022おすすめ記事31選 | GNU social JP)
- imksoo (tootsearchの終了 | GNU social JP)
- 七海灯 (告知: Misskey.ioの画像参照時の警告表示の嫌がらせへの対応 | GNU social JP)
この内、細野は私のすぐ近くでアプリ紹介を聞いていたようで、名札で私は認知しました。ただ、今は解除されていますが、以前 (2022年9月の「告知: gnusocial.jpの初の被ドメインブロック | GNU social JP」の騒動後あたり) Twitterアカウントをブロックされたことがあり、私に対して嫌悪感を持っている可能性が高い気がしたので、こちらから話しかけるのは控えました。
QA2が終わって、以前助けてくれた七海灯にお礼を言いたくて、探し回ったのですが、見つけられませんでした。対面する機会はほぼないので、残念でした。imksooにもtootsearchの話を伺いたかったのですが、こちらも見つけられませんでした。
わかりやすいように、私はconnpassの参加表のアバター画像付きの名刺を印刷してもっていって、名札にしていたので、たぶん何人かは認識していたと思います。が、招待コードがなく、Blueskyに参加できていないので、特に声をかけられることはありませんでした。
その他、カバンにBlueskyのデジタルサイネージをつけている人がいたので、興味深くてこちらから話してお話を伺いました。
結論
Blueskyの世界初の対面会合でした。
残り1-2か月程度でAT protocol v1リリースという直近の予定、私の想定以上にアルゴリズム機能が重要なもので、これがモデレーション機能も兼ねる可能性が高いというのが大きな発見でした。
Bluesky関係の成果物として、日本人のソフトウェアが多数を占めており、この分野は日本が主導権を取れる可能性が高そうというのが驚きでした。世界的にもマイクロブログ型のSNSは日本人のユーザーが多く、これはBlueskyにも通用するのだろうと思いました。
目当ての参加者と交流をあまりできなかったのは残念でしたが、Bluesky関係の日本の主要プレイヤーを拝顔できたのはよかったです。後は、後日Blueskyの招待コードももらえるとのことなので、こちらは楽しみです。
ただ、既に多数の製品が出ており、今の私に出る幕、優位性、差別化、勝負できる点はないように思いました。おとなしく少し離れたところから観察するに留めたほうがよく思ってしまいました。
今はサイト運営とGNU socialの開発に専念したほうがよさそうです。AT protocolが今後どうなるのか、ActivityPub以上のものになるのか、GNU socialのプラグインで実装できるのかなど、動向を引き続き見守りたいと思います。
詳細プロフィール。SNS: Twitter/GS=gnusocialjp@gnusocial.jp/WP=gnusocialjp@web.gnusocial.jp。2022-07-17からgnusocial.jpとweb.gnusocial.jpのサイトを運営しています。WordPressで分散SNSに参加しています。このアカウントの投稿に返信すると、サイトのコメント欄にも反映されます。
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