MediumのMastodonサーバーme.dmでの一般登録受付開始

Mastodon/server
概要

電子出版メディアMediumのMastodonサーバーme.dmの開始 | GNU social JP」で以前紹介したMediumのMastodonサーバーme.dmが、一般登録を開始したとの告知があったので紹介します。

情報源

2023-03-06の以下の公式アカウントで告知されていました。

Join Mastodon with Medium. We’re opening me.dm to all Medium… | by Alex Benzer | Mar, 2023 | 3 Min Read」に告知の内容があります。

サーバーが開始した当初は、一部のMedium著者の招待制限定登録でした。今回、Mediumの一般ユーザーも登録を受付可能にしました。

Mediumにログインしている状態で、メニューを開いて [Create a Mastodon account] から参加できます。

なお、me.dmへの登録にはメンバーシップに加入する必要があり、月5 USDか年50 USDの会費が必要です。

2023-03-20までは、Mediumユーザー名をme.dmでも予約しているので、同じユーザー名を使えたそうです。Mediumのストーリーページに「Share to Mastodon」ボタンを追加してMediumの投稿をMastodonでも簡単に共有できるようにするなど、今後UXの改善に取り組むそうです。

見解

今回の一般登録について、Medium CEOのTony Stubblebineのコメントがあったので紹介します。

Mediumをインターネットでの読み書きの最適な場所にしたいと考えており、1個の購読でこれを実現したい。数多くの購読サービスサービスにユーザーはうんざりしており、広告主導モデルは独自の腐敗が発生する。SNSが有毒なのはこのため。広告のため、中身よりも夢中にさせることに集中させられている。最適な空間の実現には、経済モデルを中心に構築する必要があり、Mediumにとってはこれが購読になる。

me.dmは現在経験豊富な企業で運営されており、自社インフラで実行し、モデレーション管理のTrust & Safetyチーム (現在専従者1名) で運営している。

Medium自体がTwitterの共同創業者のEvan Williamsによって作られた。同じくJack DorseyもBlueskyのような、Twitterの代替手段を作っている。Twitterの創設者が代替手段を作ろうとしているのは奇妙だ。

ただ、Twitter買収を受けて、ユーザー流出が明らかにあり、それは代替手段を作るのに十分な量になっている。Twitterの存続、消滅を心配しているわけではなく、新しいものが登場して、Twitterと共存するのか、置換するかを考えている。その新しいものが重要で、それがMastodonだと考えている。

プレミアムサーバー (有料会員制サーバー) の開始にあたって、コミュニティーから反発があった。その内容は、独占に対する恐怖。分散SNSは誰かが独占する望みがないので、より健全なビジネスアイデアが生まれる。プレミアム化は多くのビジネスアイデアの一つ。実際には独占になることはない。

5000人の待機ユーザーを登録したので、年末に1万人台の規模のサーバーになる見通し。

広告に依存すると問題があるため、別の運営方法として、購読が最良と判断したそうです。

なお、有名Appleブロガーで「SwiftUI+ChatGPTによる軽量高速なMastodon iOSアプリIce Cubes | GNU social JP」にも登場したJohn Gruberの話me.dmの一般登録についてコメントしていました (Daring Fireball: Medium’s me.dm Mastodon Server Opens Up)。

Mediumは営利企業で1.64億万ドルを調達しており、企業サーバーでは最大と思われる。現在のほぼすべてのMastodonサーバーが寄付で運営されている点に違和感を感じているそうです。持続可能ではなく、5年後には廃止しているのではないかとも思っているそうです。Tiwtterは無料で使えるが、それがどうなったかをみて、懐疑的にみているようです。

結論

Mediumが運営するme.dmの一般登録開始でした。

会費制のプレミアムサーバーということで、現在の分散SNSの主流の寄付・ボランティアベースとは異なる運営スタイルでした。購読制にすることで、登録ユーザーの質や運営の資金繰りの問題にも対応できるので、悪くない選択だと思いました。

2017年のMastodonブーム時も多くの企業サーバーが登場しましたが、資金繰りについての検討が進まず、ブームの衰退とともに軒並み撤退していったように思います。ですので、今後の状況次第ですが、me.dmは今後の営利企業の分散SNS参加の一つのベストプラクティスにもなりえるのではないかとも思いました。

最近だと、Twitter Blueの他に「認証バッジ付与のMeta Verifiedのアメリカでの開始 | GNU social JP」など、SNSの収益源として有料会員サービスが検討されています。Misskey.ioの寄付も有料会員サービスに近いです。

運営の資金繰りとして、会員制がうまくいくのか、Mitraのようなプラットフォーム上での決済など別の方法がうまくいくのか、動向に注意します。

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