ipmitool開発者のGitHubアカウントの凍結

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概要

ipmitoolの開発者のAlexander Amelkinが、2023-03-01にGitHubから追放されたとの話題があったので紹介します。

ipmitoolは、IPMI (Intelligent Platform Management Interface) というサーバーのハードウェアの管理用プロトコルのコマンドラインツールのOSSで、Linuxサーバーの管理ツールとのことです。GitHubのリポジトリ―は「ipmitool/ipmitool: An open-source tool for controlling IPMI-enabled systems」です。

2023-03-13の「ipmitool Repository Archived, Developer Suspended By GitHub – Phoronix」の記事が発端だったようです。

内容

以下の投稿群で拡散されていました。

2023-03-16のOSCHINAの「ipmitool 开发者账号被 GitHub 无故封锁,项目被归档 – OSCHINA – 中文开源技术交流社区」でも報道されたようです。

ipmitoolの著者は別人であるものの、2018年からAlexander Amelkin (AlexanderAmelkin (Alexander Amelkin))がこのソフトウェアを保守していたそうです。2023-03-01に事前通知・連絡もなく、いきなりGitHubの個人アカウントを停止され、全プロジェクトがPublic archiveで孤立状態になったそうです。

GitHubから説明がないので、正確なことはわかりませんが、Amelkinが所属しているYadroやその所属するロシア最大のコンピューター機器ベンダーのKNS Groupが、凍結直前の2023-02-24に米国商務省の制裁リストに加えられており、制裁強化が理由の可能性が高いようです。

Amelkin自身は政治活動に一度も参加したことはないと投稿しているようで、出身国で敵意や政治に関与しないソースコードのホスティングサービスを探しているようです。中国のGiteeや日本のOSDNが提案されていました。

1年前の2022年2月末にロシアとウクライナの抗争が始まってから、OSSの中でもロシアへの制裁がありましたが、その一環のようです。

また、その後上記のようにLinuxカーネル開発でもロシア企業所属開発者排除の動きがあったようです。

結論

今回の報道を見た私の所感は以下の通りです。

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ぐぬ管 (GNU social JP管理人)|gnusocialjp@gnusocial.jp
Git自体は分散型ですけど、ホスティングサービスは一極集中してますからね。 分散型バージョン管理システム「Git 2.40」が公開|CodeZine(コードジン) – https://codezine.jp/article/detail/17531

git自体は分散型バージョン管理システムで、サーバー機能も付随しています。ただ、ホスティングサービスは別にあって、そちらはGitHubなどの不自由なWebサービスに一極集中しています。

GitHubの現在の一極集中状態はTwitterや分散SNSとも同じ構図です。最近だと「話題: 「分散できないのはどう考えても僕たちが悪い」 | GNU social JP」で紹介しました。

告知: gnusocial.jpの初の被ドメインブロック | GNU social JP」で私が政治的立場の考察をしただけで袋叩きにあいましたが、実際はGitHubを使うということは、アメリカ支持という政治的な立場の表明に他なりません。

アメリカ支持の立場を表明したくないならば、ソースコードも他のホスティングサービスや自分でホスティングするしかありません。

分散SNSといいながら、実際はメガサーバーがあり、サーバー・ソースコードのホスティング業者まで考えると、本当に分散しているかどうかは怪しいところです。

GNU social/Pleroma/mitra/Rebasedなどは、分散の意味が分かっているので、GitHubを使っていません。

「分散」という言葉の意味、なぜ分散が必要なのかをよく考えたほうがよいかもしれません。

コメント

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