Cloudflare上で簡単設置可能なMastodon互換実装Wildebeest

Mastodon/news
概要

ホスティング業者大手のCloudflareが、Mastodon API互換サーバー実装のWildebeestを発表したので紹介します (CloudflareがTwitterのライバル・Mastodon用互換サーバーの「Wildebeest」を発表 – GIGAZINE)。

2023-02-09の「Welcome to Wildebeest: the Fediverse on Cloudflare」で告知されていました。

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ぐぬ管 (GNU social JP管理人)|gnusocialjp@gnusocial.jp
!sns 開発リポジトリー自体は2か月近く前にあって認知していましたが、正式リリースの模様。 ライセンス的に営利企業も増えますかね。 CloudflareがTwitterのライバル・Mastodon用互換サーバーの「Wildebeest」を発表
CloudflareがTwitterのライバル・Mastodon用互換サーバーの「Wildebeest」を発表
Cloudflareが、自社のクラウド上に構築されたオープンソースでデプロイが容易なSNSプロトコル「ActivityPub」および「Mastodon」の互換サーバー「Wildebeest」を発表しました。

Cloudflareのスーパークラウド上で動作可能なActivityPubとMastodon API互換のサーバーソフトウェアで、Wildebeestという名前とのことです。

OSSとなっており「GitHub – cloudflare/wildebeest: Wildebeest is an ActivityPub and Mastodon-compatible server」がリポジトリ―です。ライセンスはApache License v2でした。Misskeyと同様にTypeScriptで実装されているようです。

告知直後には「CloudflareのMastodon互換ソフトウェア「Wildebeest」を立ててみたメモ – Lambdaカクテル」で早速設置報告もありました。

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ぐぬ管 (GNU social JP管理人)|gnusocialjp@gnusocial.jp
アドベントカレンダーの記事もあったこの人ActivityPubの専門家だそうです。 CloudflareがMastodonに対応したActivityPub実装、Wildebeestを作ってたので紹介します。一部有料です – https://zenn.dev/tkithrta/articles/9069279e1a3a1e

上記投稿にある通り、私自身は1か月前に「CloudflareがMastodonに対応したActivityPub実装、Wildebeestを作ってたので紹介します。一部有料です」の記事が話題で目にしていたので、事前に存在自体は認知していました。ただ、この時点ではまだ開発中でした。

今回正式リリースになったようです。第一コミットは2023-01-04でした。

内容

Wildebeestの開発目的として以下2点があげられていました。

目的
  1. Mastodon互換サーバーのCloudflare上へのわずか数分での展開。
  2. サーバーへの悪用や攻撃からの保護の心配無用化。

Mastodonの公式の手順でMastodonサーバーを設置するのは、サーバーやVPSのレンタル、ソフトウェアのインストール・構成、DBとWebサーバーの設定、ネットワーク構成など、単に起動するだけでも数多くの手順があり、単なる技術の愛好家には非常に煩雑なものでした。この解消が一つの目的だったようです。

Wildebeestはマネージドサービスではなく、ユーザーのCloudflareアカウントで実行されるインスタンス、データ、コードとのことです。

Wildebeestで現在対応している主な機能は以下とのようです。

主要機能
  • ActivityPub/WebFinger/NodeInfo/WebPush/Mastodon API
  • シンプルなWeb UI
  • 検索機能
  • EメールとCloudflare Access互換IdP (Identity Provider) (GitHu/Googleアカウント) での認証

Mastodonが対応していない、検索機能と他のアカウントでの認証が機能面では目立つ特徴でした。なお、WildebeestのWeb UIは最低限の機能しかなく、基本的にはPinaforeなどのサードパーティークライアントの利用を想定しているようです。

その他、Cloudflareの公式サーバー・アカウントが以下との告知がありました。

公式アカウント

標準のWeb UIはMastodon v4に似ていました。

公式アカウントの最初の投稿は「Cloudflare: Hello world! – Wildebeest」で、サーバー設置日は2023-02-08のようでした。

CTOの最初の投稿は「John Graham-Cumming: Trying out the latest version … – Wildebeest」で、正式告知前の2023-01-26に開始したようでした。

結論

Mastodon互換サーバーの新しい実装のWildebeestの紹介でした。

Cloudflareの既存サービスとの連携を念頭に置いたもののようで、他のホスティング業者でも動作するかは不明でした。

このサイト内でも度々ホスティング業者として登場するCloudflare謹製の実装ということで、品質やCloudflareの既存サービスとの連携に期待できる便利そうな実装でした。

自社の顧客獲得と、分散SNSでの存在感のPRということで、ビジネスとしてもうまい戦略だったと思います。

新しくサーバーを始めるならば、Cloudflareユーザーの場合、MastodonよりWildebeestのほうがお手軽で相性がいいかもしれません。

なお、Mastodon API互換とのことですが、投稿パーマリンクが違って、「SNSの投稿引用整形サービスSocial Citer | GNU social JP」はそのままでは使えませんでした。互換といっても細かい違いはあるようです。今後増えるなら対応を考えます。

コメント

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