概要
The Moneytizer (TM) というGoogle Adsenseのような広告サービスがあります。世界的には有名なサービスのようですが、2022年1月に日本に進出したばかりの日本ではマイナーな広告サービスでした。
2022年10月に私の個人サイトに対して、The Moneytizerを利用しないかと紹介の連絡が牧野という担当者からあり、2022-10-24 Mon 17:30 に興味本位でオンラインで話を聞きました。今後、サイトへのThe Moneytizerの導入を検討しており、参考までに説明内容を紹介します。
サービス名は [The Moneytizer」 でフランス出身のサービスです (フランス、アメリカ、日本)。CPM (Cost Per Mille: 広告1000回表示費用) 型の広告掲載主を探す広告ネットワークのサービスです。これまで欧米で展開されており、アジア支社がなかったそうですが、2022年1月に日本に進出し、2022年10月時点では350-400の日本のメディアに登録されているそうです。
特徴
広告サービスとして有名なGoogle Adsenseとよく似たサービスになっており、配信広告はCookieを利用したパーソナライズ広告です。
収益方法に大きな違いがあります。Adsenseはクリック型 (CPC: Cost Per Click) ですが、TMはインプレッション (表示回数: CPM) 型となっています。これが最大の特徴です。この他に2点の特徴があります。
- 配信広告の入札方式がヘッダーウェディングというオークション形式。従来は早い者勝ちでした。これにより、一番高いCPMの広告主の広告が表示されます。
- スマートリフレッシュ。これは広告の切替機能です。Google Adsenseは一度表示された広告は画面を移動しない限り変わりません。TMは20-30秒程で切り替わります。
単価としては、PV数x2.5-3.5くらいがCPMになるそうです。だいたい、1CPMの平均単価は0.1 USD=20円弱くらいだそうです。1万PVだと月200円くらいでしょうか。
適性
クリック型 (CPC) とインプレッション型 (CPM) はどちらが有利かと、質問してみたところ、これはサイトのジャンルや構成に依存するそうです。
例えば、クリック型 (CPC) は、ガジェットブログなど、商品を紹介するようなブログと相性が良いです。これは、紹介商品に近い広告が表示されるからクリックを誘発しやすいためです。
逆に、インプレッション型 (CPM)は商品紹介をしないブログやメディアのブランディングで広告をあまり貼らない人に向いているそうです。
なお、ディスプレイ広告に限定すると、GoogleとAmazonで世界の収益の7割を占めており、Googleに依存しすぎると、コロナや戦争のようなときに、Google社の方針の影響をもろ受けます。
決済
TMは月末締めで50 USD以上の残高がある場合に翌月10日にインボイス (明細) を発行して、ここからさらに2か月後の10日に支払いとなります。リードタイムは長めです。
2種類の受け取り方法があります。
- 口座登録->通貨USD、EURのみ。国際送金になるので、日本の銀行だと受取時に手数料がかかる。
- PayPal->通貨EUR。受け取り手数料がかからない。PayPalから日本の銀行も安い。ただし、PayPalと提携している銀行じゃないと使えない。
海外送金は手数料が高いので、PayPal受取を多くの場合適しているでしょう。
導入
TMの広告は、広告コードを設置することで行います。公式のWordPressプラグインもあるため、プラグインで簡単に導入できます。
追加で設置するだけなので、Google Adsense (SiteKit) と併用はできます。
なお、広告をTMとGoogle Adsenseとで併用した場合、競売があったとき、Google側の広告が有利になるという噂があるそうです。
信頼
TMの個人情報の扱いについてです。
訪問者のCookieのみを使用しているそうです。ただ、Cookieを盗られるのも嫌という人もいるので、コンセプトバナーの設置 (Cookeiの同意のバナー) を推奨しています。
ヨーロッパでは、コンセプトバナーの設置が義務になっています。日本では義務にはなっていないので、設置は任意です。
ただし、TMでads.txtの導入が必須です。広告の宣誓。広告の透明性のために必須になっているそうです。
その他に、企業版の食べログのような評価サイトがあり、「The Moneytizer のレビュー| themoneytizer.com についてカスタマーサービスのレビューをご覧ください」にある通り、2023-01-17時点では135件で4.2の総合評価でした。比較的信頼できる会社のようです。
また、TMは全体的に利用者の自由度を重視しているそうです。広告タグは他社と併用可能で、契約などの追加の制約・条件はありません。
推奨
おススメの利用方法としては、1-2か月広告タグを使ってみて、収益が回るなら継続して、いまいちなら、削除するとよいとのことでした。
削っていれるのではなく、併用して試してみるというのがポイントのようです。
Google Adsenseの既存ユーザーの場合、Googleの自動広告の収益性の低いところと交換してみて、数字の変化・比較をみるとよいとのことでした。
その他
最後の質問タイムで、私のサイトをどうやって知って、連絡してきたのかを尋ねてみました。
PV数やジャンルをSimilarWebというサイトでふるいにかけて、後は手作業でみていってたどり着いたそうです。
審査の基準として、アダルトだとかギャンブルはNGで、後はPV・収益性が基準だそうです。
私の個人サイト (senooken.jp) は、月2万PVほどあり、ポートフォリオに近いサイトだと思ったそうです。
なお、最低月1万PVないと広告掲載を承認できないそうです。
結論
CPM型の広告配信サービスThe Moneytizerの紹介でした。
見知らぬ広告サービスで、そもそもサイトにAmazonレビュー以外で問い合わせはほとんどないので、連絡が来て驚きでした。日本ではマイナーなものの、世界的にはメジャーな広告のようです。
web.gnusocial.jpやgnusocial.jpへの広告掲載も検討しています。Google AdsenseはGNUの名前を使っていることと、Googleの自動広告は画面遷移の間に差し込んだりしてきて鬱陶しいと感じていたため、避けたいなと思っていました。
話を聞く限り、ユーザーの自由を重視しており、私好みの広告サービスで、グッドタイミングでの紹介でした。説明も親切丁寧で好印象でした。
支払スパンが2か月とやや長いことと、広告掲載には月1万PVの条件があるところがネックに感じました。web.gnusocial.jpのPVは、2022年12月で3500PV程度ですので、1万PVはもう何か月かかかりそうです。
今後の導入を引き続き検討します。
詳細プロフィール。SNS: Twitter/GS=gnusocialjp@gnusocial.jp/WP=gnusocialjp@web.gnusocial.jp。2022-07-17からgnusocial.jpとweb.gnusocial.jpのサイトを運営しています。WordPressで分散SNSに参加しています。このアカウントの投稿に返信すると、サイトのコメント欄にも反映されます。
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