Mastodon WebクライアントのPinaforeの開発終了

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Mastodon APIのWebクライアントのPinaforeに開発終了の告知があったので紹介します。2023-01-09 Monの「Retiring Pinafore | Read the Tea Leaves」で告知されていました。

気力がないことが終了の原因のようです。当初は楽しい個人プロジェクトでしたが、バグレポートや機能リクエスト、プルリクエストが大量に押し寄せてきて、自身の自由な時間の浪費に耐えられなくなったようです。

Pinafore | Mastodon日本語Wiki Archive」によると、Pinaforeは2018-02-07にNolan Lawsonにより開発されている比較的古参のWebクライアントです。1列表示、複数サーバーへのログイン、アクセシビリティー、パフォーマンスが特徴のWebクライアントでした。

開発リポジトリ―は「GitHub – nolanlawson/pinafore: Alternative web client for Mastodon (UNMAINTAINED)」で開発は終了するものの、Webクライアントの「Home · Pinafore」は引き続き利用可能だそうです。Webクライアントを終了しないのは、ホスティング業者のVercelの無料枠のおかげで、月額使用料が0USDだからだそうです。静的なHTML/CSS/JSなのでマシンリソースはあまり必要ないようです。

開発を他者に移譲しないのは、セキュリティーやプライバシーの侵害機能を追加する可能性があり、ユーザーや自身の名声を害する可能性があるからだそうです。実際に、そういう機能の要求があったものの、全て拒否してきたそうです。例えば、お気に入りや再投稿したユーザーの表示機能など。

開発を委譲しない件について補足すると、コードベースを理解したメンテナーがいないことも原因のようです。多くの貢献があったものの、トピック単位のものが大半で、コードベースの本質を理解しようとする開発者が他にいなかったようです。これはPinaforeがSvelte v2とSapperで記述されているのが原因の一つのようです。保守が終わったこれらのFWには後継プロジェクトへの移行手段が用意されておらず、新しいメンテナーが取り組む魅力が薄いようです。

完全に趣味の個人プロジェクトだと、自分がある程度満足してしまえば、それ以上は時間の浪費になってしまい、継続が難しいです。Pinafore自体は完成度の高いプロジェクトで、これ以上追加で開発しなくても当分問題ないのかもしれません。元コードはAGPLで誰でもフォーク可能ですので、バグ修正や機能追加は派生プロジェクトに期待するしかないでしょう。

コメント

  1. […] カウントでの認証が機能面では目立つ特徴でした。なお、WildebeestのWeb UIは最低限の機能しかなく、基本的にはPinaforeなどのサードパーティークライアントの利用を想定しているようです。 […]

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