取材: Suji Yanへのmstdn.jpとmastodon.cloudの譲渡

Mastodon/person
概要

2020-05-25に、当時の運営者の分散型ソーシャルネットワーク機構 (DSNO)が、2022-06-30にmstdn.jpとmastndon.cloudのサービスを終了すると発表しました。その後、引受先としてSuji Yanが率いるSujitechが名乗り出て、2020-07-01からはSujitechがmstdn.jpとmastodon.cloudの運営者になりました。

報道: ラッセル→Social CoopへのPawooの事業譲渡 | GNU social JP」で紹介したPawooの買収の先駆けとなる大きな報道で、Pawooの買収の理解を深めることと、当時をよく把握していなかったため、記録のために、当時なされたSuji Yanへの取材を整理して紹介します。

時系列は以下となります。

時系列

運営譲渡を受けて、三上洋とblank71の2名による取材がありました。

取材で特に重要な質疑は以下となります。

質疑抜粋
  1. Q. mstdnとmastodon.cloudの引受理由は?A. 分散SNSの大きな可能性が過小評価されていると考えており、維持のため引き受けた。
  2. Q. 運営費用は大丈夫か?A. mstdn.jp単体で月5-6万円。暗号技術が得意な会社で運用技術者もおり、AWSなどを駆使してあまり費用をかけずに運営できている。
  3. Q. 運営元のSujiTechはどういう会社?A. アメリカの企業。非中央集権的な技術がメイン。Maskbookという既存のSNSで暗号メッセージや暗号資産のやりとりが可能な製品がある。顕熱・監視を忌避する欧米ユーザーに利用されている。他に、Twidereも引き継いでいる。
  4. Q. 運営ポリシーはどうなる?A. ユーザーの自治を重視して、できるだけ自由を確実にする。ただし、法令遵守で児童ポルノやテロなどの悪意ある投稿は禁止。法体制は、日本よりアメリカのほうが、自由については融通が効くので問題ない。
経緯

取材の前に、今回の譲渡の経緯を整理します。

2020-05-25に、「マストドン「mstdn.jp」、6月30日に終了 「中傷に対する法制強化に対応できない」 – ITmedia NEWS」で報道されているように、以下の投稿でmstdn.jpとmastodon.cloudの、2020-06-30でのサービス終了が告知されました。

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mstdn.jp お知らせ【公式】|mstdn_jp@mstdn.jp|2020-05-25T05:35:39.168Z

【重要: msdtn.jp / mastodon.cloud サービス終了について】
ここ最近、インターネット上おける誹謗中傷に対する対応について、各社のニュース・SNS等で話題となっております。
参考ニュース例: jiji.com/sp/article?k=20200525

これらの影響に伴い、今後、訴訟や開示請求がより一般的となることや、
政府機関からの対応強化の指示、並びに法制強化などが実施される可能性が予想されます。

しかしながら、弊社の現在の体制ではそのような場合の事務負担増に耐えきれず、適切な対応が困難なことから、
mstdn.jp ならびに mastodon.cloud について、2020年6月30日をもってサービス提供を終了することにいたしました。

ご迷惑をおかけして申し訳ございませんが、何卒よろしくお願いいたします。

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合同会社分散型ソーシャルネットワーク機構|dsno@mstdn.jp|2020-05-25T07:45:13.647Z

mstdn.jp / mastodon.cloud について、もしも運営の引継ぎ・譲受をご希望される会社様がおられましたら、Eメールにて sns@bunsan.social 宛までご連絡お願いいたします。

昨今の誹謗中傷に対する法規制強化に対応しきれないことが理由の一つとして説明されていました。また、運営元から引受希望の募集がありました。

2022-06-07に、「マストドン「mstdn.jp」、存続決まる 新運営はTwitterクライアント「Twidere」メンテナー – ITmedia NEWS」の報道にあるとおり、以下の投稿でSujitech, LLCへの譲渡が告知されました。

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mstdn.jp お知らせ【公式】|mstdn_jp@mstdn.jp|2020-06-07T08:48:39.103Z

【mstdn.jp / mastodon.cloud 譲渡先について】
mstdn.jp / mastodon.cloud の譲渡先は、「Sujitech, LLC.」になります。

【Regarding transferee of mstdn.jp / mastodon.cloud】
The transferee of mstdn.jp / mastodon.cloud will be Sujitech, LLC.

sujitech.com/

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Yesterday maintainer of Mstdn.jp / mastodon.cloud announce the transfer of the service to our firm Sujitech LLC in US. We’ll keep maintain the instance & keep the user data safe. We’ve been long supporter of decentralized tech and federated social network. We also maintained Twidere – largest Twitter/Fediverse client on Android play.google.com/store/apps/det , and keep supporting decentralized web movements.

2022-06-12に、詳細・経緯はわかっていませんが、以下の投稿にある通り、ジャーナリストの三上洋が今回の引受について、公開オンライン取材を行いました。

2022-06-18に運営元の合同会社分散型ソーシャルネットワーク機構の解散が予告されました。

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合同会社分散型ソーシャルネットワーク機構|dsno@mstdn.jp|2020-06-18T06:17:11.886Z

【解散に関するお知らせ】
合同会社分散型ソーシャルネットワーク機構は、令和2年6月30日をもって解散することを決定いたしました。

2020-08-28に、ユーザーのblank71がSuji Yanに追加で取材を行い、その内容を2020-12-01に「mstdn.jp の2020年 | Sujitech への独自インタビュー | ALIS」で公開しました。

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Hi, @Sujiyan !!

It will be almost 2 month since July 1 that Sujitech started maintaining mstdn.jp/mastodon.cloud. Can I ask you some questions? Some questions are already asked ever or you already said, I’m sorry about it.

01. What is the purpose that you decided to be a maintainer of mstdn.jp/mastodon.cloud?

02. Since Sujitech started maintaining mstdn.jp, it was down several times by VPS because of terrorism intended post, child porn post etc. What do you think of it?

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2日目です!

2本の記事を書きました。

> mstdn.jp の2020年 | Sujitech への独自インタビュー
> alis.to/blank71/articles/3gpB0

2020年、mstdn.jp の運営が Sujitech に変わりました。Sujitech に色々なことを質問してみました。

> 「AGPL と Mastodon」を振り返る
> alis.to/blank71/articles/3dyGo

「AGPL と Mastodon」騒動からもうすぐ1年。その後の情報などもフォローアップしています。

以上が簡単な経緯です。

取材1: 三上洋
概要

取材の質疑は「#jpsuji マストドンjp(mstdn.jp)新運営Sujitech スージーヤン氏インタビュー及びふらさん翻訳 | misskey.de」でも一部掲載されています。

動画で内容をざっと把握するのに適さないので、概要を文字に書き起こします。

00:00 前座

三上と松尾の2名による前座。公開取材でツイキャスで一般参加も可能でコメント欄から質問も可能。ただし、mstdn.jpのタイムラインは追えていない。

松尾は2017年からITmediaでマストドンつまみぐい日記を最初は毎日更新していた。

今回、mstdnとmastodon.cloudが終了予定だった。mstdn.jpは日本初のサーバー。実際はこの前身をぬるかるが建てていた。2017年4月からの3か月で三上がスターになっていった。

mstdn。jpをぬるかるがきぼうソフトにおととし譲渡。その後きぼうソフトから名義変更の形で現在の運営のDSNOになっていた。ただ、DSNOの会計が不透明だった。DSNOの会計をITmedia編集部が調査したところ収益なし。

こういう背景でDSNOがmstdn.jpとmastodon.cloudの停止発表。官房長官の発言があったが、これはやめるための理由、きっかけになったと思われる。収益もなく、元々辞めたかったのではないかと思われる。

規模の問題ではなく、規模が小さくても資金の問題はあった。だからこれだけが終了の理由ではないのではないかと思われる。

ここで終わるかと思ったが、引き受け手のSujitechが名乗り出た。松尾も誰もしらなかった。今回の取材は、SujiYanにチノとかblankが取材の要望があったのがきっかけ。なしきやフジイユウジなどから質問案をもらったりした。

08:30 Suji Yan登場

奥さんのkattは日本語はほぼわからない。基本英語での取材。三上洋が日本語の質問を用意しているので英語に直して行い、回答を松尾が通訳。

犬の登場。イチコとう犬がSE (Sound Effet)。和やかな雰囲気で取材が始まる。

10:40 質疑開始
  • Q1. 10:40 mstdn.jpとmastodon.cloudの譲渡の経緯は?A1. 1-2年程前にユーザーになった。終了を聞いて、メールを送った。DSNOの人達と打ち合わせして譲り受けることになった。
  • Q2. 14:15 お金は大丈夫なのか?A2. mstdn.jpとmastodon.cloudのサーバー費用は月5-6万 (円) くらいで大丈夫。暗号化技術を得意とする会社なので、こういう運用技術者もいてAWSなどを使ってあまりお金を使わないで運営できる。
  • Q3. 17:25 SujiTechはどういう会社?メイン事業は?Mask Bookだと思うが。A3. メインは非中央集権的な技術。Maskbookなどのソフトもある。Twidereのクライアントもある。Twidereは元の開発者から引き継いでいる。
  • Q4. 20:45 分散SNSは注目しているのか?A4. Maskbookの使い方を紹介する。Maskbookは暗号化のソフトで、拡張機能をインストールすると、TwitterやFacebook上に暗号メッセージ書いたり、特定ユーザーにだけ表示できる。これが今のメインビジネス。
  • Q5. 23:35 Maskbookはどこで使われているのか?A5. 今はアメリカとEUで人気。理由は、中央サーバーの検閲・監視を嫌な人たちがいる。そのほかに、お金のやり取りができる。
26:25 出身
  • Q6. 26:25 なぜ東大にいた?A6. アメリカの2014年にイリノイ大学で情報科学の学部で勉強。2016年にイリノイ大学と東大のジョイントプロジェクトで1年学部で留学。2017年に両方中退。2017年後半にSujitechを開始。東大の理由はいろいろある。女装も一つ。アニメとか。当時日本でMastodonが人気だった。
  • Q7. コスプレ好き?A7. モデルをやっていた。アメリカなどのコミケのイベントで。2014年くらいとか。
  • Q8. 30:00 奥さんはコスプレ・女装のことを知っているのか?A8. はい。日本の文化への興味も元々あった。
  • Q9. 奥さんから見てスージーの女装はきれいか?A9. 彼の場合は顔のつくりとかあっているのでいいと思う。
32:35 法律
  • Q10. 32:35 mstdn.jpはユーザーが多くけっこう自由な雰囲気で、譲渡で雰囲気が変わる心配がある。今後どう運営するか?A10.プライバシーポリシーやルールは変更しない。米国のルールを適用してもmstdn.jpは現状問題ない。米国には4chanという自由性の高い掲示板があるか、法的な問題に直面しているという話は聞かない。EFF (電子フロンティア財団) というRMSも所属する組織があり、そこのサポートなどもあるので問題は起きにくい。
  • Q11. 35:30 mstdn.jpやmastodon.cloudの規約は日本の法律に準拠している。これをアメリカにもっていって問題起きないのか?A11.アメリカと日本の法体系は異なっている。日本はドイツベース。自由に関してはアメリカのほうが融通が効く。何か問題が起きてもアメリカの中でうまく対応できる。
  • Q12. 39:15 分散SNSはどこの法律をベースにすべき?A12. 非中央集権的なネットワークの場合、最終的なサーバーの場所、出力先の法律に基づくことが多い。ティム・バーナーズ・りーというWWWを作った人が非中央集権的なネットワークについてのSOLIDという技術を発表している。新技術はP2Pにトレンドしているため、最終的には全員のスマホがサーバーになるところに行き着く可能性がある。WWWに対して、個人がパワーをもってお互いにリンクできる技術。イーサリアムのようなブロックチェーン。
  • Q13. Sujitechでもこういう技術を展開するのか?A13. ECMAという団体に所属している。ECMAScriptなどWebの標準を決めるところ。もっと分散的なソーシャルネットワークに関することもやっている。
  • Q14. ブロックチェーンや暗号技術を使ったSNSはいくつもあって成功していないが?A14. 失敗したのは元々の技術が古いから。既存のシェアを奪うことは困難であるため、mastodon以外の高度に分散化されたSNSを新たに作ることは困難であると考えている。だから、Maskbookみたいなものはそれらのレイヤーの上に重ねてイリーガルなこと (よく聞き取れなかった) ができないようにすることがミッションになっている。
49:05 運営方針
  • Q15. 49:05 運営方針について。日本ではTwitterで誹謗中傷が問題になっている。A15. Twitter CEOのジャック・ドーシーがやっていることはドナルド・トランプ大統領の投稿に対して、コメントを追加したり見えなくしたりしている。発言の自由を担保することが大事で、発言内容の適法性は各国政府が判断すること。
  • Q16. 53:40 誹謗中傷は2個問題がある。1. 情報開示の請求がきたとき面倒じゃないか?A16. 個人的には正式な令状が来た結果として開示をするのは問題ないと考えている。個人の情報は個人が所有することなので、本人に聞くべき。似たようなことがAppleとFBIがあり、犯人にアクセスするためにバックドアを開けろといったことがあった。これに近い話。(質疑応答がうまくなっていない?)
  • Q17. 59:40 mstdn.jpにモデレーターを配置する予定はあるか?A17. mstdn.jpというのは小さな島なので、自治で対応するのがいいと思う。
  • Q18. コミュニティーなので、いろいろ問題投稿がある。境界は誰が判断すべき?A18. テロリズムとか人身売買とか、(法的に) 許されないところはダメだと思う。
  • Q19. mstdn.jpは無法地帯に近いところもあるのでお互いうまくやっていきたい。A19. 今完全な脱中央集権的な状態になっていないので、これからだと思う。これを考えるのがユーザー自体だと思う。
01:05:55 ユーザー質疑

01:05:55 リスナーにもう一度聞きたい内容があればコメント募集。

  • Q20. 01:06:30 jpドメインは日本人じゃないとだめでは?A20. いろんな国の会社があるので問題ない。私見:「jpドメインは海外在住者でも取得可能 | GNU social JP」で記した通り、代行業者がいれば日本人じゃなくてもjpドメインは取得可能です。
  • Q21. 01:09:25 月5-6万といっていたのは円?A21. 円でmstdn.jpのみの金額。
  • Q22. 01:10:25 寄付や広告などの収益化は考えているか?A22. Patreonとかは一応考えている。現在受け付けているのはTwidereだけ。寄付のメリットとして、暗号化やブロックチェーン化の機能追加なども考えてはいる。その他、Misskeyなど別のプロジェクトへの寄付にあてたりなども考えている。pixivの伊藤社長と会うことがあり話をしたことがある。Pawooは広告を掲載しているが、手伝いをしたいとも考えているがそれ以上の話はない。
  • Q23. 01:18:30 Pawooも買うか?A23. 買うではなく、支援をしたいとは考えている。現在広告がありUXがよくない。もっと自由なPawooがいい。
  • Q24. pixiv使っているか?A24. 写真とか使っている。
  • Q25. 01:20:30 日本はITを国全体でうまく使えていない。台湾のオードリー・タンがいる。日本のIT大臣やってくれないか?A25. タンとは知り合い。組織の中でNGOとか。未来においては自分が自分の王様・大臣になる。これが分散SNS。
  • Q26. 01:22:55 blankからの依頼質問。エンド2エンドの暗号化はどう思う?A26. DMのエンド2エンドの暗号化を考えている。
  • Q27. 日本のユーザー向けのメッセージを。A27. 自由に楽しいmstdn.jpを使ってみよう。
  • Q28. 取材は初めてか?A28. 2015-2016年くらいにテレビ朝日で女装の番組でインタビューを受けたことがある。
  • Q29. 松尾から最後のコメント。Q29. 今までの運営は胡散臭いところが多かったので、うまくやってくれることを期待している。
感想

この時点ではあまり費用をかけずに運営できる見込みがあったため、維持のために引き受けたようでした。法的にも日本よりアメリカのほうが融通が効くため問題ないそうです。

肝心の、DSNOが元々懸念していた誹謗中傷の情報開示請求の対応については結局質疑がかみ合っておらず、よくわからないままでした。

2016年に東京大学に交換留学していて、日本についての理解も深い他、Pixivとは何回も会社を訪問するなど、関係性が深いようでした。

取材2: blank71
概要

オンライン取材後、物足りなかったのか、blankが個別に分散SNS上で取材していました。

  • Q1. mstdn.jpとmastodon.cloudの引き受け理由は?
  • A1. Mastodonの開始直後から分散SNSについて知っており、friends.nicoとPawooの開始にも気づいた。2016年以後にPawooについてPixivメンバーと会話していた。 (2019年にPixivからラッセルにPawooが事業譲渡され、) ビジネスとしての閉鎖には理解できたが、大きな可能性が過小評価されていると感じた。Pawooと同様に、mstdn.jpとmastodon.cloudの閉鎖を受けて、運営の維持のために連絡した。Pixivとは東京大学に在籍していた2016年からつながりがあり、2017年後半に当時のCEOの伊藤浩紀とIVS (Infinity Ventures Summit) で話をしたのをきっかけに、Pawoo責任者やPixivメンバーとも交流があった。その後の暗号資産バブル (2017年後半/2018年初頭) に、Pawoo/Mastodon/分散Webについて現在の幹部とも話をしたことがある。
  • Q2. Sujitechのmstdn.jp開始後、テロ的な投稿・児童ポルノの投稿で、VPSによる数回ダウンしたがどう思う?
  • A2. 引継開始の最初の数週間に一部のユーザーが悪意あるコンテンツを投稿しただけだった。いくつかのVPSと交渉して、適切なもの (ポリシーと価格) を見つけた。今後は大幅にユーザー数が増えない限りは大丈夫。
  • Q3. 許可される投稿内容は?
  • A3. ユーザーがコミュニティーに責任を持ちながら自由を確実にしたい。具体的には、児童ポルノやテロなどの悪意ある投稿は禁止になる。基本はmstdn.jpのコミュニティーによる自治を希望するが、今のところはそこまでできていない。
  • Q4. メンテナーのTwidereについて紹介してほしい。
  • A4. TwidereはTwitter/Mastodonを含むTwitterライクなSNSクライアントとして数年前から始まっている。Google Playだけで50万ダウンロード。Twitter v2 APIとiOSに対応したTwidere Xを今後リリース予定。
  • Q5. Twidereに対して分散SNSユーザーに貢献してほしいことはあるか?
  • A5. Twidere XのOSS化後、開発者なら開発に入ってほしい。非開発者なら寄付してほしい。
  • Q6. 創業したDimensionのMaskbookについて紹介して。
  • A6. Maskbook/Mask.ioについて取材がある (Introducing Mask Network — the future of the Internet | by Mask Network | MediumMask Network(Maskbook)の紹介 ― インターネットの未来 | ALISMaskbookでツイートを暗号化しよう|harunon|note)。簡単にいうと、既存のプラットフォームで分散SNSを楽しめるような製品になっている。
  • Q7. MaskbookはFacebookとTwitterで使えるMastodonで使えるようにする計画はあるか?
  • A7. ある。現在、Misskey著者のsyuiloとパートタイムの形で有償で、分散SNSで何ができるかの模索に協力してもらっている。
  • Q8. 最近、Patreonでの寄付を受け付けていたユーザーが-、児童ポルノを理由に警告を受けている。この件をどう思うか?
  • A8. Pixivとの交流時からこの問題は把握していた。これはプラットフォームのロックインと呼ばれる、典型的なもの。不公平な競争なので、Pixivは法的措置を取るべき。しかし、日本は自分の権利を守るための法律・政治の利用を全然しない。ベンダーロックイン回避が、分散型Webが重要な理由の一つになる。

分散SNSの大きな可能性が社会からは過小評価されている考えていることが、引受理由のようです。Pixivとの関係性の深さがここでも語られていました。

その他では、次期不明ですがMisskey著者のsyuiloがパートタイムの仕事をする関係だったことを初めて知りました。

結論

mstdn|mastodon.cloudの譲渡についての取材でした。

DSNOが終了を決めた、当初の懸念点だった情報開示請求の対応についての明確な回答がないことや、引受後の将来ビジョンなどがあまり見えないもので、個人的にはぼんやりしたややもやもやした取材でした。

取材内容を見る限り、Suji Yanは分散SNSに大きな可能性を感じていることが引受理由のようです。ただ、Suji Yanが引受ずに終了していたら、ユーザーの母数が減って、分散SNSにはダメージがあったかもしれませんので、少々複雑な気持ちですが、引受があって結果としてよかったように感じます。

また、事業内容、法律の専門家の妻、日本との関係、Pixiv、Misskey著者との関係など、謎だった本人についての情報が得られたのは参考になった取材でした。今後の動向を理解する上での貴重な情報源になったでしょう。

コメント

  1. […] なお、「取材: mstdn.jpとmastodon.cloudのSuji Yanによる買収 | GNU social JP」で紹介した過去になされた取材の要望が以下の投稿でありましたが、聞き手の反応が薄く、こちらは実現されなかった […]

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