法律: EUサイバーレジリエンス法案、英国オンライン安全法案、国連サイバー犯罪条約案

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概要

ここ1-2週間で、欧米での新しい法律の法案について話題だったので紹介します。

2023-04-18の以下の投稿あたりで認知しました。

題名に書いた通り、EUサイバーレジリエンス法案、英国オンライン安全法案、国連サイバー犯罪条約について順番に紹介します。

EUサイバーレジリエンス法案

2023-04-17 MonにEUのサイバーレジリエンス法 (Cyber Resilience Act: CRA) が話題でした。

オープンソースコミュニティの健全性のためにPythonソフトウェア財団がEUの法律に警鐘 – GIGAZINE

内容をざっと見る限り、サイバーセキュリティーを確保するため、ソフトウェアの設計、開発、製造の前サイクルで、脆弱性対応を含むプロセスの明確化を義務とするという、製造物責任に関する法律のようです。

現状の草案だと、優勝、無償の区別が曖昧のため、既存のOSSにも対応が必要になり、大幅な変化が求められる (対応できないプロジェクトの廃止?) がありえるということでした。

現在、関係団体が公益になる公開ソフトウェアは除外すべきだとの公開書簡を提出しているようです。

英国オンライン安全法案

2023-04-18に、SignalyやWhatsAppをはじめとする暗号化チャットアプリが、イギリスの新しいオンライン安全法案 (Online Safety Bill) に伴うプライバシーリスクを警告する書簡に署名しました。

英国オンラインあ活動から安全法案はプライバシーを侵害する–WhatsAppやSignalが警告 – CNET Japan」「Messaging apps like WhatsApp urge UK to rethink ‘flawed’ legislation – The Verge

書簡の内容は、この法案は実施鵜的にエンドツーエンド (E2E) の暗号化とセキュアな通信を損なうもので、市民のプライバシー権の保護が疎かになるととのことです。

この法案は、特に子供のユーザーのオンラインでの安全確保んため、ポルノや詐欺など、違法コンテンツからのユーザー保護を企業に義務付けることを目指しており、その中でプライベートなメッセージの監視を要するもののようだったようです。

これを受けての警告書簡の公開だったようです。

国連サイバー犯罪条約案

2023-04-09から19にかけて、国連サイバー犯罪条約案についての話題がありました。

国連サイバー犯罪条約は、プライバシーと表現の自由を損なうばかりか、市民の私生活に侵入し、人権侵害な監視権限を正当化することにつながるということで、注意を喚起していました。

Twitterスペースでのトークで、このサイバー条約についてまとめられていたので一部を以下に掲載します。

このサイバー犯罪条約は元々2017年にロシアが提案。ロシア起源ということで、元々EUなどは警戒していたが、今まで取り締まれなかった自国でサイバー犯罪を取り締まるために交渉を続けているそうです。警察権力の強化が目的になっています。

条約により、児童ポルノのような、国によって異なるものを、共通の犯罪にします。著作権とか、ヘイトスピーチとか、政府批判、活動家批判の取り締まりにも流用できます。

言論の自由支持者は以下の観点で対策を求めています。

  • 犯罪の範囲を限定させる。現状はインターネット全般になっている。さらに、 (表現の) 内容に関するものをできるだけ除外する。
  • 捜査手法の中で、人権侵害をしないようにする。

例えば、ヘイトスピーチは国によって定義が異なります。プラットフォームに削除要請を出す際に、一種の検閲になります。

元々ロシアはLGBTなどはEUと同じレベルのものであまり弾圧していなかった。ただ、児童ポルノとか、子供へのグルーミングなど、児童への悪影響を理由に、うまく弾圧可能な法案にした (報道: ロシアでのLGBT宣伝禁止法成立 | GNU social JP)。

これをアメリカの右派や左派も取り入れるようになって、サイバー犯罪条約になっている感じとのことです。

結論

欧米の新しい法案の話題でした。たまたまなのか3点の法案の話題が被りました。

現状法案なので、ここからまずい内容について、関係者による意見表明がなされて、実際の法案の中身が詰められていくでしょう。

正直、一般の人々がどうこうできる代物ではなく、決まったものを受け入れるしかないとは思います。GDPRのような世界的に影響のある法案になる可能性もあるので、情報だけ観察する程度でしょう。

分散SNSにも影響ありそうなものなので、大きな動きや話題があったらまた取り上げたいと思います。

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