書評☆3: 日本中から嫌われている僕が、絶対に病まない理由 | クロちゃん流メンタル管理術の極意は「真に受けないこと」

mental/book
概要
  • 書名: 日本中から嫌われている僕が、絶対に病まない理由
  • 副題: 今すぐ真似できる! クロちゃん流モンスターメンタル術30
  • 著者: クロちゃん
  • ISBN: 9784198655914
  • 出版: 2023-01-31
  • 読了: 2023-03-30 Thu
  • 評価: ☆3/5

2023-01-17に公開された「クロちゃんが本気で伝えるメンタル管理術 罵詈雑言が連日殺到「正直、普通の人だったらとっくに病んでいる」 | ORICON NEWS」で興味を持って読みました。同日の以下の投稿で本書を認知しました。

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ぐぬ管 (GNU social JP管理人)|gnusocialjp@gnusocial.jp
!sns 面白そうなので、読んで書評にしたいです。メンタルは大事です。

クロちゃんが本気で伝えるメンタル管理術 罵詈雑言が連日殺到「正直、普通の人だったらとっくに病んでいる」

クロちゃんが本気で伝えるメンタル管理術 罵詈雑言が連日殺到「正直、普通の人だったらとっくに病んでいる」
 お笑いトリオ・安田大サーカスのクロちゃんが、誰でも今すぐ真似出来る、自身のメンタルケア・管理術をつづった著書『日本中から嫌われている僕が、絶対に病まない理由 今すぐ真似できる! クロちゃん流モンスターメンタル術30』(徳間書店)を28日に発売する。 人気テレビ番組『水曜日のダウンタウン』(TBS系列)で、日頃から息を...

書評: フキハラの正体 | 感情可視化から導かれたネガティブな感情の理不尽な伝播 | GNU social JP」でも触れたとおり、2022年11月末にmisskey.ioからドメインブロックされ、その前後で袋叩きにあっており、精神的なダメージを受けました。その対策の参考にしたいと思って読みました。

評価

人気テレビ番組「水曜日のダウンタウン」で嘘つき芸人として日本中から毎日のように誹謗中傷を浴びているクロちゃんのメンタル管理術が記されていました。

書籍は以下の構成でした。

  1. メンタル管理術
  2. 人間関係構築方法
  3. 自伝
  4. 関係者証言

副題に「今すぐ真似できる! クロちゃん流モンスターメンタル術30」とありますが、番号が振られているわけではなく、おそらく書籍の内容の節から30数えただけなのだと思います。本書内でこの30という数字は登場しません。

書籍の構成通り、メンタル管理術と人間関係構築術、後は自伝や最近話題になった自分自身のことなどの裏話などがありました。

肝心のメンタル管理術は、「まともに受け止めない」という、この一言に集約されるもので、手短なものでした。内容は間違っていないと思いましたが、他の要素は書籍にするために無理やり話を付け足しているようなそういう印象でした。

有名人の書いた本ということで、ゴシップ的な娯楽として読むような内容でした。

参考
p. 04: はじめに

はっきり言います。僕は決してド厚かましい人間じゃないですよ。むしろガラスのメンタルだと自分で考えている。ただ、普通の人よりもダメージを回避する術を知っているだけなんです。

ガラスのメンタルだからこそ、図太く生きる方法をみんなに伝えられるかもしれない–。

本書の出版理由がありました。

p. 20: 他人の評価は秒で豹変するからまともに向き合うな

メンタル防御術を身につけるうえで最初に覚えておいてほしいのは、「人の評価はすぐに覆る」ということ。これが鉄則。


ファンがアンチに豹変することもあれば、アンチが急に「クロちゃんの言うことにも一理ある」と見直すこともある。


いちいち一喜一憂していたら自分を見失ってしまう。

ひょっとしたら、あなたのことを嫌いな人がいるかもしれない。だけど、「だからどうした?」という気持ちでいることが大事。


だから、そんな声は軽く受け流せばいいんです。もしくは逆転の発想で相手を心の中でバカにする。


そうしたら腹も立たないでしょ?

これがメンタル防御の基本編。

メンタル防御の基本として、相手の評価をまともに受け止めないを上げていました。軽く受け流すか、逆に見下すくらいのどんと構えておくのが大事のようです。

p. 29: 耳を貸すべきバッシングと、無視すべきバッシングの見分け方

耳が痛いことをいわれても、馬耳東風で聞き流す–。たしかにこれは精神衛生上はダメージも少ないんですけど、同時に偏屈になって孤立化する恐れもあるんです。だから、人の意見に耳を傾けること自体は大事。

僕の中でひとつ判断基準としてあるのは、「他人に迷惑をかけていないか?」という点。


こういう投稿をしたら他人がどう感じるか?どんな影響があるのか?想像力が大事なんです。

まともに受け止めないことが基本ではあるものの、時には耳を傾けるべきこともあり、その判断方法についての話でした。

p. 33: バカを相手にするほどコスパが悪いことはない……すぐ使える「上から目線」術

「相手の意見を真摯に聞く」というのは誠実な行為かもしれないけど、自分の精神面が弱っているときにキツい意見をもらうと、立ち直れないくらい傷ついたりもするんです。なにしろ僕はガラスのメンタルですから。

そういうときは、強引に自分の考え方を変えるしかない。相手は自分よりも劣る人間なんだと思い込むようにするんです。精神的に相手の上に立つと、心に余裕が生まれますからね。


その際に忘れてはいけないのは、怒られたときはシュンと反省する振りをすること。全力でポーズを取るのは大人としてのエチケットです。でも腹の中では「話が長いな、こいつ。面白くもないくせに」とバカにしても全然OK。

話をまともに受け止めないの具体例として、上から目線術がありました。これは私も心の中でやっていることがあります。心の中でどう思うかは自由で誰にも迷惑かかりません。

p. 76: 客として金を払い会話の主導権を握る キャバクラはコミュ力向上の名門校

自分に自信が持てるようにするためにはどうすればいいのか?どうしたらスムーズな会話が身につくのか?

その答えは、ズバリ、キャバクラにあります。


なぜキャバクラでは堂々とできるのかというと、こっちがお金を払っているから。


これはキャバクラだけじゃなくて、メイド喫茶やコンカフェでも同じ話。もちろんガールズバーやスナックでもOKです。

大事なのは「自分でお金を払って、会話の主導権を握る」という経験を積み重ねること。

自分に自信を持つための、独特な手法、訓練方法があって興味深かったです。

p. 84: アイドルから学んだ思考トレーニング “演技力” で人間関係はスムーズに進む

スムーズな人間関係を構築するうえで大事なのは “演技力” なんです。

これは相手から怒られているときや、興味がない接待相手を気持ちよくさせるケースを想像するとわかりやすい。

もしくはムカつく奴が、目の前でどうしようもない自慢話を延々と続けているとします。内心では「バカじゃねぇの?」って嘲笑いつつも、「いや〜、べんきょうになるなあ。すいません。忘れるといけないから、メモ取っていいですか?」と歯が浮くようなおべっかを平気で使う。これが大人の対応というやつです。

嘘をつくときの鉄則として、相手を騙すときはまず自分から騙す。だから心の底から軽蔑していても、「こんなバカな奴でも、少し暗いはいいところがあるはず」と見方を切り替えて見るんですね。そして、その褒めるべき1点を集中してプッシュするんですよ。

わかりますか?ムカつく奴に対して「腹が立つな」と思ったら、そこで終わり。

関わりたくない相手とスムーズな人間関係を構築するうえでの演技力ががありました。ここの話は「書評: 心配すんな。全部上手くいく。 | ヒカルの勝ち方=徹底的差別化 | GNU social JP」と被るものでした。

p. 98: 「変わり者でなにが悪い?」同調圧力なんて、どこ吹く風

なぜ僕が日本中の人から叩かれても平然としていられるかというと “慣れ” というのも大きいと思います。


僕の考え方の根本にあるのは、自分の信念は曲げられないということ。

クロちゃんが子供の頃から変わり者で、自分の信念を持った人物だったということがわかる話がありました。

p. 117: 物事の見方を逆転させる癖をつけると世界が変わる

僕の処女作は『鬼』というタイトルでした。

鬼って優しいんだよ

鬼って本当に優しい生き物なんだよ

人に蔑まれ嫌なことされてもグッと我慢する

本当は優しい生き物なんだよ

僕はそんな鬼になりたいと

そっとうつむく


ある意味、鬼に自分の姿を投影していたのでしょう。


つまり「鬼=悪者」と決めつけるのではなく、「鬼だって考えようによっては、いいところがあるんじゃないの?」と再検証してみたんです。


まずは自分が虐げられている鬼になった気持ちで世の中を見つめ直してほしいと思います。

クロちゃんが逆張り、逆転の発想で日々を生活しているエピーソードがあり、その中で絶望の気持ちで天から降ってきた詞が紹介されていました。

この詞の内容を私は理解できます。悪役も事情があってしかたなくやっていることがあります。私が子供の頃は背が周りより少し高いだけで、ごっこ遊びで悪役ばかりでした。

p. 122: 僕は「嘘=悪」という常識に対して、意義申し立てをしている

クロちゃんは嘘つきで有名ですが、それについて説明がありました。本人は悪気のないいたずら心でやっているそうです。誰かを騙したり傷つけるようなものではなく、可愛い嘘、ジョークのようなものだそうです。

p. 138: クロちゃん流メンタルを保つ法則 “3箇条”

クロちゃんがメンタル維持でこれだけは肝に命じておいてほしいという3箇条がありました。

  1. 努力は絶対にしない!
  2. 損だけは絶対にしたくない!
  3. 僕は絶対に悪くない!

まず努力はそれが本当に必要なのか?競争の激しいレッドオーシャンで勝負するよりかは、逆に自分の好きな道をとことんまで突き進むのがいい。

目の前の仕事や行動は、何でも飛びつくのではなく、長期的に意味があるかを考えて、行って損する場所には行かない。

そして、批判をされても言い逃れできる「言い訳」を作っておくこと。これを用意できていれば、堂々と自分が悪くないと自信をもてる。

p. 151: しょせんはSNS “ネット免疫力” を高め、バッシングのショックに備える

SNS時代のメンタル維持の方法論がありました。見ないようにしてもうっかり目に入ることがあるので、避けるのではなく、免疫獲得を目指したほうがいいということでした。

ネット免疫力が低い状態の場合、精神的に余裕があるときに嫌なことに触れるようにするなど、少しずつ慣れていくということを助言していました。

結論

クロちゃんのメンタル管理術でした。メンタル管理術というよりかは、元々の目的でもなく役にも立たないのですが、本人の自伝的な部分がどちらかというと、興味深い内容でした。

まともに受け止めると苦しいので、あまり真に受けず、心の中ではどんと上から目線で構えておくのがよさそうです。また、誹謗中傷の回避というよりかは、免疫獲得を目指すのが根本解決になりそうというのも参考になりました。

これまでもそれを心がけていましたが、この方針で問題ないのだろうとより確信できました。

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