WordPress.com運営元のAutomatticによるActivityPubプラグインの買収

WordPress
概要

CMSのWordPressのホスティングサービスのWordPress.comの運営元のAutomatticがActivityPubプラグインを買収したとの報道があったので紹介します。

以下のユーザー投稿で私は認知しました。

WordPress.comのAutomatticがActivityPubプラグインを買収しブログがFediverseに参加可能に – ネタフル」で紹介されていました。「WordPress.com owner Automattic acquires an ActivityPub plugin so blogs can join the Fediverse | TechCrunch」で報道されたのが発端だったようです。

ただ、実際には2023-03-13の「Automattic Acquires ActivityPub Plugin for WordPress – WP Tavern」での報道が最初で、こちらのほうが著者への取材があって詳しいです。

最初の記事だと、WordPress.comがActivityPubに対応したというように見えますが、元々WordPressのActivityPubプラグインをユーザーがインストールできて実現できていたので、ややミスリードに感じます。

内容

WordPressのActivityPubプラグインはドイツ人の著者のMatthias Pfefferleにより開発されていました。これをWordPress.comやtumblrなどの運営元のAutomatticが買収しました。今回の買収により、PfefferleはAutomattic社に入社し、開発に専念できるそうです。4月からAutomatticとして開始するようです。買収というよりかは、採用・雇用に近いイメージに感じました。

買収を受けて、ActivityPubプラグインの著者にAutomatiticが追加されていました (ActivityPub – WordPress plugin | WordPress.org)。2023-03-11のこちらのコミット「add Automattic · pfefferle/wordpress-activitypub@abef17b」でコード上の著者が追加されていました。

以下の投稿にある通り、2023-03-11が買収日の可能性が高そうです。

元々PfefferleはActivityPubプラグインなどを趣味として開発していたそうで、買収は考えていなかったそうです。

今回の買収は「速報: TumblrのActivityPub対応予定 | GNU social JP」で紹介した、TumblrのActivityPubの対応検討が発端のようです。この際に、CEOのMatt MullenwegがActivityPubに興味関心を示したことを受けて、なぜWordPressに実装しないのかと思い、著者がAutomattic社に接触した結果、今回のフルタイムでの開発機会の提供となる買収につながったようです。

2022年3月時点ではActivityPubプラグインのユーザー数はわずか700人でしたが、現在は2000以上のアクティブインストールになっています。まだ広く普及しているわけではないものの、イーロン・マスクの買収のおかげで、プラグインのダウンロード数と、Mastodonのフォロワー数が10倍になったそうです。これを受け、プラグイン開発に積極になり、例えばプラグインの設定画面に、オンボーディング画面を追加したりされていました。

今回の買収は、オープンソースの維持を保証し、正規のプラグインとすることが目的だそうです。

CEOのMatt Mullenewgの話だと、ActivityPubだけではなく、Nostr/AT Protocolもテストしているそうです。

結論

WordPress.com運営元のAutomattic社によるActivityPubプラグインの買収でした。買収ですが、内容は開発支援、採用に近いものでした。

WordPresのActivityPubプラグインは2018年くらいから存在しています。ただ、WordPressでのActivityPub対応はあまり需要がないのか、そんなに話題にならない印象があります。

ただ、WordPressはユーザーも多く、設置も簡単です。BuddyPressなどWordPressのSNS向けプラグインを組み合わせると、他の分散SNSと比べても実用上問題ないものを用意でき、個人的には可能性を感じています。

TumblrのActivityPubはインパクトも大きく、続報がありませんが、識者を取り込んで、徐々に進めていくのかもしれません。続報に期待します。

なお、この著者が他に開発しているWebmentionプラグインや、取り組んでいるIndieWebという活動をよく知らなかったのですが、興味深いもので、新しい発見でした。

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