書評: シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント | IT技術を用いた現代資本主義の攻略本

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概要
  • 書名: シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント
  • 副題: The almanack of Naval Ravikant
  • 著者: エリック・ジョーゲンソン
  • ISBN: 9784763139795
  • 出版: 2022-08-20
  • 読了: 2023-02-07 Wed
  • 評価: ☆5/5

2022-10-06に以下の投稿で言及したとおり、「「全財産を失っても、5年後には復活できる」シリコンバレーの最重要思想家が自信満々に断言できる理由 リッチになることは、努力量の問題ではない | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)」を見かけたのがきっかけでした。

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ぐぬ管 (GNU social JP管理人)|gnusocialjp@gnusocial.jp
いい記事でした。

「全財産を失っても、5年後には復活できる」シリコンバレーの最重要思想家が自信満々に断言できる理由 リッチになることは、努力量の問題ではない

「全財産を失っても、5年後には復活できる」シリコンバレーの最重要思想家が自信満々に断言できる理由 リッチになることは、努力量の問題ではない
リッチになるには、何をすればいいか。「シリコンバレーの最重要思想家」と呼ばれる起業家ナヴァル・ラヴィカント氏は「努力と富は関係ない。私が全財産を失っても、10年頑張ればまた富を得ているだろう。富を得るために必要な情報と原則のすべてを教えよう」という――。

この内容が非常によかったため、後になって気になって本書を図書館で借りて読みました。予約が多数入っていて借りれるのに時間がかかりました。

評価

シリコンバレーと世界中のスタートアップ文化を象徴する存在とされる、ナヴァル・ラヴィカントが、過去にSNSやブログで投稿した内容をまとめて作られた本となっています。

一連の連投ツイートを中心に、現代資本主義社会で成功して富を得るための本質的な部分に触れられていました。

「自分をプロダクト化せよ」というのが、その本質であり、自分にしかできない特殊知識をベースに、それをブログやポッドキャスト、コードなどコスト0の機械で、レバレッジを効かせて拡大せよというような内容でした。

これを実現するには、「何をするか」が非常に重要で、その判断のために努力を向けるべきというような内容でした。

記事の一連のツイートの日本語訳を見ましたが、その時点で直感でこれは非常に重要なものに感じました。

参考
p. 02: 前付

本書は公益に資する目的で制作された。本書のPDF版・mobi版・epub版は、<Navalmanack.com>から無料でダウンロードできる (日本語版は https://www.sunmark.co.jp/detail.php?csid=3979-5 から)。ナヴァルは本書から一切利益を得ていない。ナヴァルはその他のエッセイやポッドキャスト等を彼のウェブサイト <nav.al> で公開しており、ツイッターでは @naval のアカウントで活動している。

本書の元データなどが掲載されていました。

p. 38: 富を生む「行動」と「思考」の特徴

努力は富とはほとんど関係ない。週80時間食堂で働こうが、立地に離れない。リッチになるということは、「何をするか」「誰とするか」「いつするか」を理解するということなんだ。

努力するより、理解するほうがずっと大事だ。もちろん努力は大事だし、おろそかにはできない。でも努力は正しい方向に向けなくてはならない。

もし君が取り組むべきことをまだ見つけていないのなら、それを見つけるのが先決だ。取り組むべきことが見つかるまでは、身を粉にして働きすぎてはいけない。

資本主義社会で成功するために極めて重要な基本原則がありました。「努力ではなく、何をするかが全て」という言われてみれば当然なのですが、何も考えずに日々を過ごしていれば、見落としてしまう基本原則でした。

p. 47: 自分をプロダクト化せよ

要約: 自分をプロダクト化せよ。


「自分」は独自性を表している。「プロダクト化」はレバレッジを表している。

「自分」は説明責任を表している。「プロダクト化」は特殊知識を表している。「自分」も特殊知識を表しているね。

つまり一連の全ツイートが、この2語に集約できるんだ。

もし君が「富を得る」という目的を長期的に目指すなら、「今やっていることは自分らしいのか?自分らしさを発揮しているか?」と考えなくてはならない。それから、「プロダクト化しているか?スケール [規模を拡大] しているか?プロダクト化の手段はヒトか、カネか、コードか、メディアか?」と考えなくてはならない。

「自分」を「プロダクト化」する—これが簡単便利な記憶法になる。

ここではナヴァル・ラヴィカントの非常に有名な一連の連投ツイートも引用されていました。そして、連投ツイートの意味がたったの2語に要約されていました。この連投ツイートに全てが込められているので、それを見て理解できれば、本書は最低限読まなくてもいいかもしれません。

p. 55: 100%のめり込めないなら「大差」で負ける

こういうことが苦手な人もいて、「どうしたらアイデアを完結に売り込めるようになりますか?」なんて聞かれることが多い。

私の答えはこうだ。今すでに得意でないのなら、夢中でないのなら、君には向いていないのかもしれない—君が本当にのめり込んでいるものに集中しよう。


特殊知識を見つけるには、君の生まれつきの才能や、純粋な好奇心、情熱を追い求めたほうがずっといい。今人気の仕事の養成所に行ったり、投資家の注目する分野に進んだりしても、特注知識は見つからない。


でも、君がそれに100%のめり込んでいなければ、100%のめり込んでいる誰かに負ける。しかも、僅差で負けるのではなく、大差で負けてしまう。

それはなぜかというと、アイデアの領域には複利が大きく働き、レバレッジが大きく働くからだ。


「自分らしさで競争から抜け出せ」

「何をするか」の中身の部分の決め方がありました。自分の生まれつきや、純粋な好奇心、情熱が該当するそうです。

p. 58: 「基礎」から始めて、深く精通せよ

リッチになるための最重要スキルは、いつまでも学びつづける能力だ。学びたいことを何でも学べる力を身につけなくてはならない。


今はるかに重要なのは、ずっと前に「正しい」ことを学んだかどうかよりも、9か月や12か月で最新分野のエキスパートに慣れるかどうかだ。

だからどんな本にも怖じ気づかないように、基礎をしっかり学んでおこう。

成功に必要な要素に、学び続けることを上げていて、だからこそ基礎の重要性が説かれていました。

p. 62: 努力のうち「1%」が実を結ぶ

努力の99%は無駄になる。

といっても、完全に無駄になってしまうことなんて1つもないよ。すべてが学習の機会になるのだから。どんなことからも学習できる。


でも目的志向の人生という点から見ると、君の努力の内実を結ぶのは1%ほどなんだ。


私がこんなことを言うのは、人生の99%が無駄で有益なのは1%だけだなんて、軽々しく言うためじゃない。私がこう言うのは、君にとにかく慎重になってほしいからだ。

そして (人間関係、仕事、学習など) 何に取り組むのであれ、その究極の目的は、複利を得るために全力を傾ける対象をみつけることだとわかってほしいからだ。

君が誰かとつきあっていて、結婚に至るような関係じゃないとわかったら、その瞬間に別れて前へ進むべきなんだろう。


無駄になる99%をやるな、とは言わない。残りの1%を見極めるのはとてつもなく難しいのだから。

私が言いたいのはこういうことだ。君のやっていることの中で無駄にならない1%が見つかったら—君が残りの人生を傾けられる対象、君にとって意味のある対象が見つかったら—ほかのことは忘れて、それに全身全霊を傾けよう。

「何をするか」の部分をさらに踏み込んだ内容でした。「何をするか」を見つけるのがそもそも難しい話で、これにたどり着くのは1%で、残りの99%は結果的には無駄になってしまいます。取り組む内容 (人間関係、仕事、勉強) は無駄になってしまう可能性があるので、慎重に対象を見極める必要があります。

大学で学んだことを活かせないのは、まさに99%の無駄の一つでしょう。ただ、1%を見つけるために99%が必要になるので、うまく割り切るしかありません。人生の早い段階でこの1%を見つけられれば、勝ったも同然でしょう。

p. 92: 「時間」で考え、決断する

自分に時給を設定し、その時給で計算した金額を惜しみなく使って、時間を節約せよ。君は自分で考える以上に価値が高い人間ににはなれない。

人に使える時間は限られているので、自分の時間を使ってやる価値があるかどうかは慎重に考える必要があり、金で解決できるなら出し惜しみしないほうがいいという話でした。貧乏性の自分には耳の痛い話でした。

p. 98: 一生のうち3つの「大きな決定」

Q これからスタートを切ろうとしている若い人たちにとって、いちばん大切なことは何でしょう?

大きな決定にもっと時間をかけることだね。

若いときに下す大きな決定は、基本的に3つある。「どこに住むか」「誰と恋愛するか」「どんな仕事をするか」だ。


君が同じ街に10年住み続けるなら、同じ仕事を5年続けるなら、同じ人と10年付き合い続けるなら、それを決めるのに1、2年はかけるべきだ。これらはとても大きな影響をおよぼす決定だ。この3つの決定は本当に重要だ。

「何をするか」の部分をさらに掘り下げる内容でした。居住地、恋人、仕事はどれも長期間にわたって取り組むものになるので、中身が非常に重要なので、時間をかけて慎重に決めるべきだという話でした。成り行きで決めるようなものは、不確実性が高いので気をつけたほうがよさそうです。あるいは、素早く見切りをつけて切り替えるということが必要かもしれません。

p. 126: 自分の行動の「長期的影響は何か?」と考える

お金を節約するために時間を使っていてはリッチになれない。

お金で時間を買って、その時間を使ってリッチになれ。

努力は過大評価されている。どれだけ努力するかは、現代経済ではあまり意味を持たなくなっている。

Q逆に、過小評価されているのは何ですか?

「判断」だね。判断が過小評価されている。


このレバレッジの時代、1つの正しい決定がすべてを勝ち取る。

努力なくしては、判断もレバレッジも得られない。

時間を費やして努力することは必要だが、判断のほうが重要だ。とくにレバレッジを効かせる場合は、どれだけ早く動くかより、どこへ向かうかのほうが重要なんだ。

どんな決定を下すときにも、正しい方向を選択することのほうが、どれだけ力を加えるかよりもずっと、ずっと重要だ。歩みだす方向を正しく選んでから、歩み始めよう。

また「何をするか」の話でした。「何をするか」の「判断」が重要で、方向を間違うと台無しになるということで、この判断に努力を向けるべきというようでした。

p. 150: 迷ったら答えはノー

もし君がこんな難しい決断を迫られたら、どうする?

  • この人と結婚すべきか?
  • この仕事に就くべきか?
  • この家を買うべきか?
  • この街に引っ越すべきか?
  • この人と起業すべきか?

心を決められないなら、答えはノーだ。


いったん何かを選ぶと、そこから長い間抜け出せなくなる。


これらは本当に長く影響を及ぼす決定だ。だからよほどの確信がない限り「イエス」と言わないことが、本当に、本当に大切なんだ。

絶対的な確信は持てなくても、かなりの確信がなかったら決めてはいけない。

また「何をするか」の話で、難しい決断の決め方でした。繰り返しになりますが、長い期間従事することは、非常に重要なもので、99%の無駄になってしまう可能性があるので、確信がもてるまで決断しないほうがいいということでした。

p. 153: 好きになるまで「読書」する

純粋に読書が好きになれば、スーパーパワーが手に入る。

読書の重要性がありました。

p. 201: 先んじて「損」して、「得」を長く大きくする

よい習慣をつみ重ねていくといいよ。


要は、もっと幸福な人間になると心に決めて、自分の生活を見直して、軽率な悪い習慣をよい習慣に置き換えていこう。つきつめれば、君の週間と、君がいつも一緒にいる人たちが、君という人間を作っているのだから。


誰かと一生働ける気がしないなら、1日も一緒に働くな。

p. 258: 「他人」から自由になる—他者の期待は「その人の問題」

私は自分の影響力を測ったことなんて一度もない。私は自己評価を信じない。自己評価なんてものは、自分をしつけたり罰したり追い詰めたりするのと変わらない気がするね。

私が誰かの期待を裏切ったとしても、それはその人の問題だ。私がその人と契約を結んでいるのなら、私の問題になる。でも勝手に期待されているのなら、それは完全にその人の問題だ。私の知ったことじゃない。

人は人生にいろんな期待を持っている。勝手な期待は早く砕いたほうがいい。

結論

シリコンバレー、スタートアップ文化の重要思想家ということで、現代資本主義の攻略本ともいえるような内容の本でした。

たまたま直前に読んでいた「書評: 心配すんな。全部上手くいく。 | ヒカルの勝ち方=徹底的差別化 | GNU social JP」と内容が重なる部分も多く、興味深かったです。

日本では特に結果よりも努力を過大評価する傾向が強いです。人情的にもわかるのですが、「何をするか」 (人間関係、仕事、勉強など) が全てで、アルバイトをいつまでも努力していてもリッチにはなれません。「何をするか」を見つける、判断するための努力を惜しまずに取り組んで、自分にしかできない1%を見つけたら、それに全身全霊で取り組むことが大事です。

見過ごして日々を過ごしている多くの人に読んでほしいなと思う素晴らしい本でした。

私のこのサイト運営も、これを手本にして頑張りたいと思いました。

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