Mastodon巨大サーバー集中化の問題とfedibird.comの公開登録一時停止

Mastodon/server
概要

Mastodon日本語圏で真に「分散型」のSNSを実現させるためには? — Telmina’s notes」で投稿されている通り、先日Mastodonの巨大サーバー一極集中化とMastodon公式サイトのjoinmastodon.orgに関する議論がありました。また、これを踏まえたのか、たまたまタイミングが重なっただけなのか、日本のMastodonの代表サーバーの1個のfedibird.comが公開登録を一時停止したので紹介します。

議論・話題の概要は以下となります。

概要
  • 日本の大型サーバー (fedibird.com、mstdn.jp、mastodon-japan.netなど) に新規ユーザーが殺到し一極集中、中央集権状態となっている。
  • 巨大サーバーが新規ユーザーの受皿になるため、サーバーを新設しても過疎状態のままで、巨大サーバーの一極集中のままとなる。
  • Mastodon公式サイトのjoinmastodon.orgのサーバーリストがこの一極集中を助長している。
  • 当事者の巨大サーバー管理者に意向を確認して、公開登録の停止の呼びかけ・ユーザーの分散化をすべき?
  • joinmastodon.orgの掲載条件は申告・必要事項・運営実績で、審査基準は不透明。
  • 2023-02-01にfedibird.comが公開登録を停止 (招待登録は継続)。
サーバー増加と受皿の偏在

発端は2023-01-21の以下の投稿です。

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マストドン世界にまだ足りないものは多くありますが、その一つは鯖缶とサーバーです。マストドンの良さを発揮できるアクティブユーザー数の理想は、私は経験上1000-2000/月が上限だと思っています。それ以上になるとLTLはツイッターの雰囲気に近づき、鯖缶管理も限界になります。マストドンの理想はなかなか実現できないかもしれません。
(LTLを廃したfedibirdは変則的ですがこの制約をクリアしていこうという姿勢がわかります

一方でこの世界にはまだ沢山の人が来る可能性があります。おひとりさまサーバーももちろん必要ですが、人を受け入れられるサーバーと鯖缶はまだまだ足りません。最大の受け入れ先のjpだけでは限界があるのは認識として共有できていると思います。

分散SNSの一番の魅力と限界はこの分散環境をうまくつくっていけるかどうかだと思っており、可能な方はどんどん鯖缶への道を検討して頂ければと、微力な鯖缶の1人として感じています。

何度かご案内していますが、Discordにはそうした方達へのサポートの場もあります。(鯖缶工場)

どぞどぞ。可能な方はどんどんサーバー構築に挑戦を!

Mastodonを快適に運用するアクティブユーザー数の上限がだいたい1000-2000人/月で、これを超過するとLTLがTwitterに近づき、管理も限界になると考えているようです。が、Twitter買収を受けたユーザーの大量移入もあり、サーバーとサーバー管理者が不足しているので、新規サーバー設置を呼び掛ける内容でした。

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@hyoyoshikawa 熱く語っているところすみませんが、そこまでいうならtoot.blueでの新規登録を停止し、箕面どんへの導線を張ってもらえませんか?
僕は前回の大量流入の時、fedibirdの管理人に「箕面どんにも振ってくれ」と伝えましたが、「自分でやる」という答えでした。
ここに今の日本のマストドンの問題があると思います。jpもpawooも外国資本になりましたので、日本のマストドンとは言いがたいです。
今の日本のマストドンに欠けているのは、誰がリーダーシップを取るのか、ということです。日本のMastodon server全体で受け入れていくという方向性が重要だと思います。
ここは、このようなことを投稿しているあなたがリーダーシップを発揮するのが一番だと思います。技術力もありますし。
以上、よろしくお願いいたします。

それに対して上記の投稿で、現状巨大サーバーに新規ユーザーが集中しており、新規サーバーができたところで、新規サーバーにユーザーが登録しにくい状況になっている。発起人のサーバー自体が既に十分大きいので、新規登録を停止して他のサーバーへ誘導すべきではないかという指摘がありました。

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@hyoyoshikawa やはり、あなたはserverの独立性を尊重して、内政不干渉ですか?
それはそれでいいのですが、どんどん格差が広がるばかり。集まるところと過疎化するところと。
集まれば大変なことは分かっていますが、分散化しようとしない大手をどうしますか?
いくらサーバーが立ち上がっても、本家の基準を満たさず宣伝もされなければ、人はきません。
そういう現状をあなたはどう考えていますか?

toot.blueの月間アクティブユーザー数は数百人程度で、まだ1000人にも届かないこともあり、まだ新規受付はするとHyoYoshikawaが返信しました。

現状、公式サイトに掲載されているサーバーが新規ユーザーの受け皿になっており、一極集中しています。大手サーバーがユーザーを分散化しないならば、零細サーバーにユーザーが集まらず、過密と過疎がの人口格差が拡大していくだけだという指摘がなされました。

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replying to とねぢ @Minoh-don(ash)|toneji@minohdon.jp

@toneji それに関する考え方は書いた通りです。新しい鯖缶とサーバーがまだ必要。将来、jpやfedibirdはもちろん、あなたのところも私のところも溢れた時、この世界の成長が止まることを私は恐れています。そのためにはもっと一般を受け入れるサーバーが必要だと考えているので、それを書いたつもりですが。リーダー云々には自分としては関心がありません。

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@toneji 大変な費用と手間をかけて多くの登録を受け入れてくれているメガサーバーには私は感謝しています。ただ無限にそれが続くことはないでしょうし、モデレーションは万の単位になれば限界もあるでしょう。終わることだって可能性はゼロではない。その時にその役割を1人で担うより、これから始まる新しいところも含めて多くのサーバーが引き受けられれば良いなと思っているわけです。

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@hyoyoshikawa あなたのいうことはよく分かります。今僕はいちゃもんをつけているわけではないことは理解してください。
新しい鯖管やサーバーが生まれたとして、今後流入が更に増えた場合、その采配は誰がするのでしょう?
特定のサーバーへの集中を防ぐ方法はいくつかあると思います。しかし、誰かがそれを言い出さないと何も変わらないでしょう。
現状はこれ以上は難しいと思いますが、いずれ本当の意味で連合するserverの関係が生まれることを僕は願っています。

その指摘に対して、HyoYoshikawaは、現状分散SNS全体のユーザー数上昇が重要なので、サーバーごとのユーザーの分散化・平均化は後でいいのではないかという見解でした。

中央集権化と公式サイトの弊害

大型サーバーへの一極集中・中央集権について議論が続きました。

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@hyoyoshikawa @toneji メガサーバーが登録を閉めるみたいな、なにか能動的なアクションがない限り他のサーバーを探すインセンティブって限られてると思うんですが、なにかアイデアがあったりします?
これって人間は自然のままだと中央集権に向かっていくという根本的な問題だと思うんですよね。

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@nmkj @hyoyoshikawa その問題をずっと考えているのですよね。
これは参加する人間だけではなく、受け入れる側の人間の意識の問題もあると思います。
自分のサーバーに人がたくさん集まったら嬉しいじゃないですか。実務やお金は大変でも。
そういう部分も含めて、考える必要があるのかなと。
次に来る大波はTwitter倒産だと思っているので。

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replying to とねぢ @Minoh-don(ash)|toneji@minohdon.jp

@toneji @nmkj

独立したサーバーが連携して分散SNSをつくっていくというのが、マストドンだと理解していて、中央になにか登録者を仕切るような存在を置くアイデアは私はちょっとありませんし、果たしてそのような人為的な仕切りが成立するのかなと思います。

ご存知のようにメガサーバーの管理者もそれぞれ考え方がありますし、統一的な入り口や仕切りはやはり難しいのではないでしょうか。

いったん登録してから他へ流れる登録者もおられるし、やはり選ぶのはユーザーの側。で、選ぶ選択肢は多い方がいいと自分は思います。数人単位で運営する小さなサーバーができても、連合で連携できるのがここのいいところなので。

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@hyoyoshikawa @nmkj 「中央に何か登録を仕切るような存在」が現状ではjoinmastodonだと思います。そこに載るかは大きな問題で、掲載基準のハードルを越えて載れば確実に人は集まってきます。
逆に言えば、そのハードルを越えられないサーバー(多くはそう)は、一生掲載されるチャンスはありません。
僕は日本にjoinmastodonに代わる入り口があればいいのにと思っています。それを誰が作るのかという問題はありますが、単に各サーバーが自分で登録するシステムであっても、それぞれがそこへの導線を張るという合意が得れれば、今とはずいぶん変わるのではと思います。
中央集権ではなく分散を選んだ人達が集まる世界ですからいろいろ難しいとは思いますが、ある意味今後の民主主義の在り方を模索することにも繋がるし、僕は検討する価値のある問題だと思っています。
長い議論、ありがとうございました。

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@hyoyoshikawa @toneji これは結局人が集まると権威が生まれるという問題に繋がっていまして、重要なのは個々の権威を相対的に小さくしていけるかという点だと思います。そういう意味で、Mastodonの現状はとてもバランスが悪いですよね。mastodon.social も含めて。

ソロサーバーじゃない限りサーバーを立ててハイ終わりとはならないのが難しい部分です。「あー新しいサーバーだけど(逆にあそこはもういっぱいっぽいけど)、それぞれの考え方があるから自分には関係ないや」で突き放すのか、それとも管理者同士のネットワークを構築して連携して助け合っていくのか(でもそうすると新しい権威が発生しますよね)。

僕も良い答えが思いついていません。ただ、少なくとも今のまま放置しても良い方向へは向かわないだろうと思ってます。そしてすでに joinmastodon.org が登録者を人為的に仕切ってしまっているという問題もあります。

何もしないと、大型サーバーにユーザーが集中していき、巨大サーバーの権力が大きくなっていきます。大型サーバーには、ユーザーを他のサーバーに振り分けるインセンティブがないので、一極集中が維持され、これをjoinmastodon.orgが助長・仕切ってしまっているという問題があるようです。

巨大サーバーとユーザーの導線
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replying to とねぢ @Minoh-don(ash)|toneji@minohdon.jp

@toneji @hyoyoshikawa そうです。もっとサーバーが必要とは言いますが(もちろん僕もそう思いますが)、じゃあサーバーを増やした後増えたサーバーに人を引き受けてもらうには既存の管理者たちはどうする?というのが重要な問題です。言い古されてますが、サーバーを立てるのは一番簡単な部分です。

今の人の増え方を見ると「じゃあみんな勝手にサーバー選んでね」と放置できる閾値を超えつつあるのではないかと思います。

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@nmkj @hyoyoshikawa ようやく問題意識を同じくする人に出会えました。
仰るとおり、今優位な立場で何もしなくても人が集まってくるサーバーの管理人が、「サーバーは好きに選んでね」と言っても全く説得力がないということです。
キツい言い方をすると、そういう優位な立場にいる人が「もっと鯖管を増やそう」と言っても、じゃあ僕達のサーバーへの参加者を確保してくれるの?ということです。
参加者を求めてサーバーを立てて、誰も来ないことほど虚しいことはありません。参加者は自ら勝ち取れというなら、それこそ「新自由主義」の考え方です。
今日本のマストドンの上位はfedibird、japan-net、toot.blueです。これらの管理人は今後の日本のマストドンの在り方に影響を持っています。
今後上記三つが閾値を超える前に、実行力のある対策を考えることができればと思っています。

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replying to とねぢ @Minoh-don(ash)|toneji@minohdon.jp

@toneji 実を言うと、僕はそこまで自分のサーバーに誘導したいというわけではないのですが(もちろん来てくれたら嬉しいし歓迎しますけど :bloblul:​ )、現在のメガサーバーに最初のアカウントが集中し続けるというのが構造的な問題だと思ってます。ユーザーの自主性を尊重するのは最重要ですが、現状だとその自主性が joinmastodon.org などの誘引要因に干渉された結果であるのもいかがなものかなと。Fediverse 上でいくら宣伝しても、ターゲットが Fediverse 外だと届きにくいですし。

そういう点もあり、ソロサーバーという理論上の最適解を超お手軽に実現できないかと考えてました。

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@nmkj そうですね。
僕も正直言ってややこしい人がたくさん来るより、今の安定した箕面どんの方が居心地がいいのです。
でもご指摘の通り、今の構造のままではどうしてもメガサーバーに人が集まり、その後もメガサーバーでのアカウントの移動はあっても、弱小サーバーは蚊帳の外です。
これがオイゲンの考えているMastodonの世界なのかなあとぼんやり思っています。

ソロサーバーという概念は面白いですね。
僕も自分だけのサーバーをMastodon以外の技術を使って作ろうかと考えています。Mastodonはお一人様には向かないんで。

サーバーが増えたとして、最初に巨大サーバーにユーザーが登録したとして、その後どうやって新規サーバーにユーザーが回っていくのかという、ユーザーの分散化の今回の議論の本質にかかる問題が議論されていました。

公式サイトや巨大サーバーが誘導しない限り、実現できないのではないか?あるいは、ユーザーの自主性を尊重するならば、個人サーバーを推奨していくしかないのではないかという内容でした。

巨大サーバーの意向
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replying to とねぢ @Minoh-don(ash)|toneji@minohdon.jp

@toneji @nmkj

この議論に2つの観点を加えさせてください。

まずtoot.blue鯖缶としての自分の考え方ですが、私はどなたでもいいので、メガサーバーからもっと人が回ってくれば良いなとは思っていません。ご存知のようにtoot.blueが大事にしていることは人数ではありません。例えばjoinmastodonに記載されて多くの登録者がやってくるシステムについては、一鯖管としては加わらない可能性があります。どこかに「人を回す回される」についても同様です。

次はメガサーバーの件です。お二方とも敢えてかどうかわかりませんが、何と言っても日本のメガサーバー2つを運営している方の存在があります。前項の立場にも関わらず鯖缶どうしの調整はあっていい(あるべき)かもしれませんが、この2大サーバー特にjp運営者と方向性が揃えられないなら「日本の主要3サーバー」→「これにもうちは入らないですが)だけでは議論は成立しないと思います。

独自カスタマイズののえるさんの考え方も大きいでしょう。(これを見てコメントをくれるかもしれませんが)

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@toneji @nmkj

私から見ると数の大きいすじやんさん、のえるさん、くろりんごさんの考えは聞いても良いのかなと思います。私のところは前述の通り少し違います。メガ志向も今のところないし。

私は消極的ですがjoinmastodonへの働きかけであれば、言われるように個々の単位だけではなくまとまって事由を示して働きかけることは有意義なのではないかと感じています。

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@hyoyoshikawa @toneji そうですね、僕もサーバーの拡大思考があるわけではなく、もっと人口分布がまだらになっていけばいいなと思います。これは5年前からずっと(?)言われてきたらしいですが。

そのお三方の意見は聞いてみたいです。もしかしたら僕が見逃しているアイデアがあるかもしれませんし。ただ、「この2大サーバー特にjp運営者と方向性が揃えられないなら」とおっしゃるように、すでにこのネットワークにおいても権威が発生しているということをまずは認識しなくてはならないでしょうね。

巨大サーバーの一極集中について、当事者のfedibird.com、mstdn.jp、mastodon-japan.netの管理人に意向を聞くべきではないか、そして巨大サーバーにお伺いを立てないといけない時点で権威が発生していると締めくくられて、議論が終わりました。

Telminaの記事や一連の投稿を眺めた私の所感が以下の通りです。

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ぐぬ管 (GNU social JP管理人)|gnusocialjp@gnusocial.jp|2023-01-31T12:24:57.000Z
分散snsは一枚岩ではなく、それぞれ対立していますので、日本で一丸となってやるというのは難しい気がしますね。 それぞれ思惑があって、自分のポジショニングもあるでしょうからね。 自分で自分の首を締めてる感じです。 結局強いところが中央集権的にやらざるを得ない感じです。本末転倒ですかね。
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ぐぬ管 (GNU social JP管理人)|gnusocialjp@gnusocial.jp|2023-01-31T12:32:30.000Z
replying to ぐぬ管 (GNU social JP管理人)|gnusocialjp@gnusocial.jp
Mastodonのユーザー内ですら問題があるのに、他の実装のサーバーとの連携とか厳しくないですか? 結局、多数決。お金や数の暴力で中央集権的になし崩しに決まっていくのが、自然の流れですかね…

実際に、Twitter買収後にいくつかサーバーが新設されたものの、ユーザーが思うように集まらず、閉鎖した事例をshufudon.comでみました。Twitter買収以前からも、ユーザーが集まらず閉鎖という同様の事例は多数あったように思います。

特に巨大サーバーが自分からユーザーを分散させるというのはインセンティブがなくなかなか難しいので、結局多数決・中央集権的になし崩し的に決まっていくのではないかと懸念しました。

joinmastodon.orgのサーバーリストの審査内容

先の議論の後、joinmastodon.orgのサーバーリストの審査基準について、以下の会話が2023-01-31にありました。

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@noellabo 突然申し訳ないんですが、joinmastodon.org のサーバーリストの審査について、のえるさんは何かご存知だったりしますか?
Covenant や 公式ブログの記事や issues を見たりしたんですが、どうも載った後に再審査があったりするのか、審査チームがどういうメンバーなのかよくわからなかったもので。
のえるさんなら何かご存知なんじゃないかと思ってメンションさせていただきました。

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@nmkj joinmastodon.orgの運営部分はオープンではないので正確なところはわかりません。

一覧は独自のAPIで取得できますが、オープンソースではありません。

基本はhello@joinmastodon.orgへの申告(宣誓)で、必要記載事項(ルール・利用規約・連絡先など)と十分な運営期間を経ている実績だけは見ているはずです。

登録時(fedibird.com登録当時)や登録後の、緊急時の対応が可能な管理者の存在確認やバックアップの確認プロセスはありません。

おそらくEugenさん自身か、Eugenさんの指示のもと動いているスタッフが対応していると思います(確認したことはありません)

利用規約の変更があって掲載から外されたケースは一件だけ知っていますが、推測ですが、再審査によるものではなく、動向が注目を集めたことによる影響かと思います。(子細は割愛) [参照]

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@noellabo ありがとうございます。なるほど、やはりちょっと不透明な部分があるんですね。

サーバーステータスではなく中身の最新情報が反映されてないとなると、ここ数ヶ月のように新規アカウントが増えたときの入口としては不安があるなと思いました。なんと言っても公式サイトですし。

こういう問題は最近特に顕在化してきたと感じたのですが、僕はまだ良いアイデアが浮かんでません。のえるさんは何か思うところはあります?

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@nmkj アップデートはこちらからプッシュする(連絡して差し替えてもらう)という形になります。先方で見てから差し替えるということで、ここは自動化されていません。

fedibird.comもサーバを説明する文章の変更を申し出て、数日待って入れ替えてもらったのかな? 詳しくは忘れましたが、そんな経緯がありました。

今のところ具体的にアクションを予定していないので動いていませんが、

たとえばfedibird.comの新規登録を終了して、新サーバを用意して受け入れる体制とする場合、掲載は可能なのか(既存サーバの実績を新サーバに適用する対応をとるのか)など、方針の確認なり、このようにして欲しいという働きかけはしていくと思います。

私自身は、もう少しMastodonサーバ自身に、サーバを探す機能を分散させたいと思っています。

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@noellabo なるほど、最初の一アカウント目をどうするかという課題は残ると思いますが、joinmastodon.org などに頼らない方法としてサーバー自身が能動的に分散させていくのは良いアイデアですね。藤井先生がおっしゃっていた試用期間という概念も参考になりそうです。
ostatus.taiyolab.com/@taiyo/10

ゲートウェイのようになってしまうのは如何なものか、という問題に対しては僕も引き続き考えようと思います。なにせ、このアプローチは Fediverse 外に居る人が対象ですし、プッシュ型更新では放置すると outdated になってしまいますから。

なんにせよ、考えを聞かせてもらいありがとうございました。

joinmastodon.orgの運営やサーバーリストの審査基準は非公開になっており、以下のような条件になっているようです。

  • 基本はhello@joinmastodon.orgへの申告(宣誓)で、必要記載事項(ルール・利用規約・連絡先など)と十分な運営期間を経ている実績だけは見ているはずです。
  • 登録時(fedibird.com登録当時)や登録後の、緊急時の対応が可能な管理者の存在確認やバックアップの確認プロセスはありません。

また、サーバー情報の更新はサーバー管理者側から連絡して更新する形になるそうです。

fedibird.comの新規受付停止

2023-02-01には直近の議論を踏まえてのことなのか、たまたまタイミングが重なっただけなのか、Mastodonの日本の代表サーバーのfedibird.comが公開登録を停止しました。招待登録のみ可能とのことです。

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fedibird.comですが、そろそろ頃合いと思いますので、しばらく新規受付を停止しようと思います。

それにしても、11月から一気にユーザーが増えました。

当初は4,000ユーザーに届いていなかったのですが、現在は26,712ユーザーになっています。

週間アクティブユーザー(月曜9時から一週間の間にアクセスのあったユーザーの数 / WAU)は落ち着いてきて、ピーク時は14,950という数字になりましたが、7,000〜8,000と半分ぐらいになっています。

あれから3ヶ月、流入も落ち着いてきましたし、そこでの一定の役割は果たせたと思いますので、次の役割に移行していこうと思います。

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Fedibirdは連合志向で、分散SNS / Fediverseの面白さを引きだすべく、Mastodonをベースとしつつ、機能面でも運用面でも様々な提案を行っていくサーバです。

今回は、国内のmstdn.jpとPawooに頼り切りだった新規受け入れ体制において、個人のサーバーが名乗りをあげても、この程度までは対応できるということは示せたかと思います。これもひとつのチャレンジでした。

しかしながら、分散SNSは一つのサーバーに人が集中するよりも、分散することでメリットが産まれる特性があります。

次の段階としては、ここをもっと掘りさげてみたいと思います。

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なお、fedibird.comへの登録ですが、招待リンクを通じての登録は引き続き受け付けます。

これまで作成した招待リンクも有効ですし、ユーザーが招待リンクを新規に作成する機能も引き続き有効です。

fedibird.com自体はこれまでと何も変わりませんので、紹介いただく方はこれまでと同様にリンクしていただければOKです。

ただそのままでは登録できませんので、招待リンクをあわせて紹介いただくか、fedibird.comの既存ユーザーに声をかけるよう案内いただければ良いかと思います。

汎用サーバとして十分に使いやすいとは思いますが、それなりにクセのあるサーバですので、マッチしそうな人がいましたら是非ご紹介ください。

なお、nightlyの方は公開登録継続とのことです。

所感は以下の通りです。

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ぐぬ管 (GNU social JP管理人)|gnusocialjp@gnusocial.jp|2023-02-01T14:16:02.000Z
!sns fedibird.comさん。公開登録一時停止とのことです。集中したほうが効率はよいかもしれませんが、中央集権に進むので、英断だったと思います。 権力者が自ら力を手放すというのはほぼありませんから…
のえる (noellabo@fedibird.com)'s status on Wednesday, 01-Feb-2023 22:47:58 JST - GNU social JP
fedibird.comですが、そろそろ頃合いと思いますので、しばらく新規受付を停止しようと思います。それにしても、11月から一気にユーザーが増えました。当初は4,000ユーザーに届いていなかったのですが、現在は26,712ユーザーになっています。週間アクティブユーザー(月曜9時から一週間の間にアクセスのあったユーザー...

運営負荷の軽減以外では、管理者にとって公開登録停止のインセンティブはないので、英断だったと思います。ただし、1個だけ停止しても、残りのmstdn.jpなども足並みを揃えないと、そちらに一極集中してしまうという懸念は残ります。

自治会のような主要なサーバー管理者同士での議論の場が必要なのかもしれません。

なお、ついでになりますが、2023-02-02にMisskey.ioも招待制にすると以下の投稿がありました。

丁度本日、Twitter APIの有料化の告知があり、ユーザーが殺到したのかもしれません。

結論

日本のMastodonの巨大サーバーへのユーザーの一極集中化、Mastodon公式サイトのサーバーリスト、fedibird.comの公開登録停止の話題でした。

Mastodonを舞台とした話ですが、他の分散SNSにも通じる話でした。

運営の面でも、UXの点でも巨大サーバーへのユーザー集中は自然な流れで、意識的に対策を講じないと、分散ではなくなります。公式サイトのサーバーリストも一極集中を助長するとのことで、ユーザーの分散はなかなか難しいテーマです。

ユーザーを分散させるには、巨大サーバーの管理者との協調が必要になるでしょう。しかし、今後営利企業が分散SNSに参入してきた場合に対応しきれず、結局中央集権の回避は難しいかもしれません。

大型サーバーのfedibird.comの公開登録の停止を受けて、他の中小サーバーにユーザーが分散するのか、残った巨大サーバーのmstdn.jpやmastodon-japan.netなどにユーザーが集中するだけなのか、動向を見守ります。

コメント

  1. かき says:

    結局、最初に登録しやすいのは有名なサーバーなんですよね。僕は、分散していくのはそのあとからでもいいと思っています。大手が導線を引いたり日本版joinmastodon.orgを作る義理はないでしょう。最後は「いかに居心地のよいサーバーを見つけるか」の、個人の問題です。mstdn.jp、knzk.me、frdibird.comと経て現在nemushee.netに落ち着いている僕はそう考えます。

    • ぐぬ管 (GNU social JP管理人) says:

      ユーザーの多い大型サーバー・有名サーバーに登録しやすいというのはそうだと思います。その後分散していけばいいというのもそうなんですが、記事内で議論があったとおり、自然には分散しにくいので、はたして個人の問題に帰結させていいのかという議論は依然としてある気がします。

      現状、Mastodonサーバーはjoinmastodon.orgの影響が大きいので、joinmastodon.org以外にもサーバーの紹介サイトなどが複数あれば、少しは偏在性・不公平感が解消されて分散が促進するかもしれません。

      • かき says:

        紹介サイトはまだありませんが、サーバー紹介はハッシュタグを付けて各所がやっていますね。
        それから、この時期に加入者が増えているサーバーもいくつかあります。新規に立ち上がったサーバーですら。
        ぶっちゃけて言えば、ここに至って加入者が増えていないサーバーは、宣伝が足りていないか、よほど魅力を感じられないからだと感じています。

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