話題: PleromaフォークのSoapbox BEのRebasedへの名称変更

Pleroma/news

先日、「話題: Pleromaトップ開発者Alex Gleasonの開発コミュニティーからの追放 | GNU social JP」で取り上げたAlex Gleasonが開発するSoapboxについて、名前を変更する発表があったので紹介します。

概要

分散SNSソフトのフロントエンド実装のSoapbox FEとバックエンド実装のSoapbox BEを以下のように名前を変更したとの発表が開発者のAlex Gleasonの投稿、および記事「Soapbox BE is now Rebased – Soapbox」で2022-08-19 Friになされました。

  • フロントエンド: Soapbox FE→Soapbox
  • バックエンド: Soabox BE→Rebased

アメリカで2022-08-18~19まで開催された「re:BASED Conference – Orlando, FL」の会議で発表された内容でもあるようで、「会議の様子」、「Alexの発表スライド画像」などがAlexの投稿にありました。記事の内容を不完全な和訳の形で紹介します。

内容

Wait, Soapbox has a backend?

Soapboxはもともとフロントエンド (Web UI) として開発されており、2019年によりリッチなUIを持ったMastodonのフォークとして発表されました。その後、時間が経つにつれて、Masotodonでは動作が遅く、高価で十分には革新的ではないことにうんざりして、Pleromaをベースにすることにしました。

開発元のプログラミング言語として、PleromaはElixier、MastodonはRubyのため、別のプログラミング言語への移行となりました。この移行が可能になったのは、PleromaがMastodonの互換APIを持っていたためで、Pleroma自体に変更を加えることなく、MasotodonのフォークからUI部分だけを分離して、Pleromaで動作するように修正されました。

Pleromaは、Pleroma FE/Fedi FEなどいくつかのフロントエンドが用意されています。慣習として、FE (Front End) という命名規則になっていたので、このときにSoapboxをSoapbox FEと呼ぶことにしました。この当時はSoapboxはPleromaのFEの一種でしかありませんでした。

しかし、その後やりたいことを全て実現するにはバックエンドのPleroma自体のフォークが必要になり、Pleromaの慣習に従って、Pleromaからフォークしたバックエンド実装をSoapboxと呼ぶことにしました。この時点で、SoapboxはPleromaの代替実装であり、Soapbox FEはPleromaとSoaboxの両方に対応するフロントエンドでした。

しかし、このときにSoapboxの名称がもともとフロントエンドを指していたものが、バックエンドを指すものになり、混乱が生じました。そのため、バックエンド実装をSoapbox BEに名称変更しました。多くのユーザーに理解してもらえると思っていたものの、実際にはフロントエンドをSoapboxと呼ぶだけで、バックエンド実装は興味の対象から外れてしまいました。

そこで、フロントエンド実装をSoapbox FE→Soapbox、バックエンド実装をSoapbox BE→Rebased、と明確にするために名称変更しました。

Why Rebased?

RebasedはPleromaのフォークとなります。Rebaseという言葉は、バージョン管理システム (VCS) であるブランチから別のブランチに派生元ブランチを切り替えることを指します。これはプロジェクトの歴史が、新規ではなく、既存実装の改良であることへの素晴らしいオマージュです。

また、著者によre:BASEDカンファレンスでの発表に着想を得た名前になっています。

Similar, but different

Rebasedのロゴは、Soapboxのロゴを壊して、git-branchの形状に適合した形で作成されました。新しいロゴですが、これはSoapboxの一部であることを表します。

Rebasedは今後Fediverseで最も広く使われるバックエンドになるという独自の目標があります。高速かつハイテクで、Pleromaの遺物から解放する計画です。

まず、コンテナー化と展開 (デプロイ) 方法の改善を行っています。これにより、Rebasedをどの環境でも簡単に実行できるようになります。

What this means for the future

Rebasedを最高のバックエンド実装にするために、以下を計画しています。

  • 開発者体験の向上 (CI)
  • デプロイ体験の向上 (コンテナー化、環境変数設定)
  • DB性能向上 (アクティビティとオブジェクトの1テーブルへの結合)
  • イベント/グループ (Facebookの該当機能)
  • 分散型アイデンティティ (IPFS、Nostrなど)
  • イーサリアムの統合
結論

分散SNSのフロントエンドのSoapbox FE→Soapbox、バックエンドのSoapbox BE→Rebasedの名称変更の発表の話題を取り上げました。

Soapboxの歴史の変遷や名称変更の経緯、今後の目標などがわかり、勉強になりました。フロントエンドのSoapboxは開発当初の名前に戻り、バックエンドのSoapbox BEのRebasedへの名称変更がメインの発表のようでした。Soapboxはフロントエンドとして一定の知名度があるものの、バックエンドはあまり知名度がなかったようなので、こちらを明確にすることが名称変更の一つの目的だったようです。

Rebasedは分散SNSで最も広く使われるバックエンドを目指すということで、高い志を掲げており、活発に活動しているようです。活発なところに話題や人が集まりますので、熱意のある開発者が存在するSoapboxとRebasedには要注目です。

管理人はGNU social推しではありますが、同じ分散SNSユーザーとして分散SNS全体が活発になることは喜ばしいことだと思っていますので、今後も動向を注目していきます。

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